年間収益15兆円を超える中国第2位のeコマース企業JD.comが、DeFi分野の専門家募集を開始した。分散型取引所(DEX)やレンディング、デリバティブ、トークンエコノミーに詳しい人材を求めている。
背景には、香港のステーブルコインライセンス制度が8月1日に正式に施行されたことを受けたもの。新しい規則は、大手企業が法定通貨に連動したデジタル通貨を発行するためのコンプライアントなゲートウェイを提供する。
サプライチェーンファイナンスにおけるPayFiの活用
ステーブルコインを超えて、JDの求人内容はより大きなビジョンを示唆している。それは、PayFi、すなわちペイメントファイナンス。このモデルは、スマートコントラクトを使用して、支払いとプログラム可能な金融サービスを統合する。
実際には、JDが納品を確認した後、サプライヤーは即座にオンチェーンの受取トークンを受け取ることができる。そのトークンは、DeFiで担保化して即時流動性を得たり、小さな単位に分割したりできる。また、上流のベンダーへの支払いに直接使用することも可能。JDは、受取債権、倉庫証券、物流注文などの現実資産をトークン化できる。これにより、数兆円規模のサプライチェーン全体で大きな価値を引き出すことができる。

JDのアプローチは他の中国のテック大手とは対照的。Ant Groupのような競合他社がコンプライアンスツールに注力し、テンセントが政策に安全な立場を保つ中、JDは異なる道を歩んでいる。JDは二つの道を進んでいる。
国内では、「Zhizhen Chain」(智臻链)が偽造防止やe-CNY統合などの規制された産業用ブロックチェーンアプリケーションを提供し続けている。海外では、JDは直接的なWeb3プレイヤーになることを目指している。ステーブルコインの発行、DeFiエコシステムの構築、トークン化された金融の探求。この国内でのコンプライアンスと海外での革新のバランスが、JDに独自の競争優位をもたらす可能性がある。
Eコマース大手からオンチェーン経済へ
JDのDeFiへの参入は、Web2とWeb3企業の間の融合が進んでいることを反映している。eコマースの巨人は、その規模と資本を活用して、ブロックチェーン金融をビジネス運営に統合している。
規制上の障害やユーザーの採用は依然として大きな課題だが、JDの二重軌道アプローチが成功すれば、競争上の優位性を提供する可能性がある。
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