暗号資産取引所国内大手コインチェックは9日、NOT A HOTEL DAO社が発行する暗号資産「NOT A HOTEL COIN(NAC)」の新規取扱いに向けた検討を開始すると発表した。2026年内の取扱い開始を目指す。NACは不動産を裏付けとするRWA型トークンで、保有者は全国9拠点のリゾート施設の宿泊権を獲得できる。
コインチェックは販売所・取引所での取扱いのほか、レンディングサービスや積立購入など新たな利用体験の提供を検討する。
Sponsored既存顧客基盤活用しRWA領域に参入
コインチェックは今回、高級別荘事業を展開するNOT A HOTEL社の子会社であるNOT A HOTEL DAOと連携し、RWA領域での取扱い銘柄の拡充を図る。
NACは、イーサリアムブロックチェーン上のERC-20規格で発行される暗号資産だ。保有またはレンディングすることで全国のNOT A HOTEL施設の宿泊権を得られる仕組みとなっている。NOT A HOTELは2020年の創業以来、累計契約高624億円、オーナー数1115名の実績を持つ。世界的建築家が手掛けた別荘を提供し、購入者は全拠点を相互利用できる。
コインチェックとNOT A HOTELは2022年にNFT分野で協業した経緯があり、今回の連携で協力関係を拡大する。コインチェックの既存顧客にNACを提供することで、不動産活用型トークンへのアクセスを広げる狙いだ。
レンディングや積立など複数サービス検討
コインチェックは今後、販売所および取引所でのNAC取扱いに向けた審査を進める。IEOではなく既発行トークンの上場となるため、追加発行は伴わない。
検討される新サービスには、定額積立によるNAC購入、レンディングを通じた宿泊権またはNACの獲得、管理費や付帯サービスのNAC決済などが含まれる。コインチェックの法人向けサービス「Coincheck Partners」も協働し、RWA領域での利用シーンの拡充を図る。
ただし、審査結果により取扱いに至らない可能性もある。詳細は決定次第、改めて公表される予定である。