7月は暗号資産市場にとって歴史的な月となった。取引活動が極めて活発化し、世界全体の暗号資産時価総額は初めて4兆ドルを突破した。一方で、市場の熱狂は利益確定の動きも誘発し、月末には一部のデジタル資産で短期的な調整が観測された。しかし、大口投資家、いわゆる「クジラ」は後退する様子を見せていない。むしろ彼らは、8月に向けて利益が期待できるトークンに資本を移動している。
カルダノ(ADA)
レイヤー1(L1)トークンであるカルダノ(ADA)は、8月の値上がりを見込むクジラの主要な投資対象として浮上している。オンチェーンデータによれば、7月24日以降、100万〜10億ADAを保有する大口投資家が270万ADAを追加で取得した。この量は現在の市場価格で約2億1000万ドル(約300億円)以上に相当する。

この大口投資家の買い増しは、ADAの価格が最近調整局面にあった中で行われた。ADAは7月21日に直近のピークである0.93ドルをつけた後、本稿執筆時点で0.77ドルまで下落した。価格調整が続く中でも大口投資家の継続的な買い増しがみられることは、ADAの長期的な上昇に対する彼らの強い信頼を示していると考えられる。
今後、クジラによる蓄積が継続し、売り圧力を吸収することができれば、ADA価格は底打ちし、上昇に転じる可能性がある。その場合、0.84ドル付近まで値を戻すことが予想される。
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一方で、クジラの買い意欲が低下した場合は下落トレンドが継続し、0.76ドルのサポートを下抜け、0.66ドル付近まで下落する可能性もある。
トロン(TRX)
トロン(TRX)は6月22日以降、上昇トレンドラインに沿って推移しており、価格はすでに24%上昇している。7月29日にはクジラの蓄積行動に支えられ、約半年ぶりとなる0.35ドルの高値を記録した。
オンチェーン分析企業IntoTheBlockのデータでは、大口投資家のネットフロー(流入・流出の差額)が直近1カ月で2600%以上も増加したことが示されている。

大口投資家のネットフローがプラスに大きく転じることは、供給量の1%以上を保有する大口投資家がさらに多くのコインを蓄積していることを意味する。これはTRXに対する主要投資家の信頼度が高まっていることを示唆しており、需要が維持されればTRXの価格上昇が持続する可能性がある。
こうした状況が継続すれば、TRXの価格はさらなる上昇を見せ、再び0.35ドルを目指す展開が予想される。

しかし、利益確定売りが再び強まった場合、この強気の予想は覆される可能性もある。需要が低下した場合、アルトコインの価格は0.30ドルを下回り、0.29ドル程度まで調整が入ることも考えられる。
ソラナ(SOL)
ソラナ(SOL)の価格は直近1週間で約2%下落したものの、クジラにとっては買い増しの好機となっている。多くの投資家が8月の反発上昇を期待しており、7月22日に記録した直近のピーク206.18ドルからの調整局面で買いが入っている。
執筆時点でSOLの価格は180.67ドルとなっており、ピークから約12%下落している。
しかし、100万ドル以上のSOLを保有するクジラウォレットの保有残高はむしろ増加している。彼らは最近の下落を買いのチャンスとみなし、この1週間でSOLの保有量を6.4%増やしている。

この大口投資家の蓄積行動が8月も継続すれば、市場全体でSOLに対する強気なムードが再燃する可能性が高い。個人投資家がこれに追随すれば、SOLの価格は上昇トレンドに復帰し、190ドル以上の回復を試すことが予想される。

しかし、売り圧力が継続した場合、SOL価格は180ドルの重要サポートを割り込み、176.33ドル付近まで下落するリスクも残っている。
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