ドージコイン(DOGE)の価格は今週乱高下しており、過去7日間で約7%上昇したものの、直近24時間で同じく7%下落。結果的に上昇分を帳消しにした。この急落は市場全体の冷え込みを反映しているが、ドージコイン固有の要因も絡んでいる。
チャートとオンチェーンデータは、蓄積と売却の両方の兆候を示しており、市場心理は二極化している。短期的には弱含みの展開だが、隠れた強気シグナルが調整の終息を示唆している。ただし、1つのリスク要因が残されている。
SponsoredクジラがDOGEを買い増し、一方で取引所残高が警鐘を鳴らす
クジラ(大口投資家)の動きは静かに強気へと傾いている。10億〜100億DOGEを保有するウォレットの保有量は、10月2日の242億DOGEから243.3億DOGEに増加。およそ1億3,000万DOGE(約32億円相当)の買い増しが確認されている。
このような中規模クジラによる積極的な蓄積は、ボラティリティの高い局面において価格の下支え要因となることが多い。
しかし、もう一方の重要な指標 ― 取引所のDOGE残高 ― は懸念を示している。Glassnodeのデータによると、取引所で保管されているDOGEの割合は17.7%と、9月20日に記録した数年ぶりの高水準に再び近づいている。
過去のデータでは、取引所残高の上昇局面は往々にして下落局面の前兆となっている。例えば、2024年4月1日に15.57%へ上昇した際、DOGEはその後55%下落。2024年12月9日に17.1%へ達した後も、2025年4月までに約65%の下落を経験した。
Sponsored取引所残高の高止まりは、市場で即座に売却可能なトークンが多いことを示しており、潜在的な売り圧力を意味する。つまり、クジラが買い支えている一方で、個人投資家の一部は利益確定や撤退の準備を進めている可能性がある。
このような構図 ― クジラの蓄積と高い取引所残高 ― は、市場の「自信」と「警戒」のせめぎ合いを象徴しており、DOGEの価格が安値圏で停滞する背景となっている。
ドージコイン価格、調整終了の兆し
4時間足チャートでは、ドージコインが上昇ウェッジパターンのサポートラインを維持しており、短期反発の余地を残している。直近の0.246ドルでの反発は、買い手が依然として防衛姿勢を崩していないことを示す。
また、9月30日〜10月7日の間に価格が高値を更新する一方、RSI(相対力指数)が低値を更新しており、「隠れた強気のダイバージェンス」が形成されている。これは売り圧力の減退と、次の上昇再開の予兆と解釈できる。
0.246ドルのサポートを維持できれば、DOGEは0.257ドル → 0.270ドル → 0.278ドルへと段階的な反発を試みる可能性がある。だが、サポートを割り込むと、取引所残高の売り圧力が顕在化し、0.234ドル〜0.226ドルの安値を再テストする恐れがある。
短期では依然として弱気構造が残るものの、全体的には「冷え込み」であり「崩壊」ではない。今後の焦点は、クジラの買いがどこまで続くか、そして個人投資家が再び買い手として市場に戻るかにかかっている。