イーサリアム価格(ETH)は4,320ドルを上回って推移しているものの、ここ1週間ほどは動意が乏しい。9月5日以降、トークンは狭いレンジ内にとどまっており、このような横ばいの動きは、通常、大きな値動き前の緊張感を市場に与える。
チャート上では、ETHが上昇傾向のパターンから抜け出す可能性があるが、その確認はまだ必要だ。一方で、クジラの買いと供給動向は、すでに動きが始まっている可能性を示している。
Sponsoredクジラが170億ドルを取得、取引所供給が逼迫
過去5日間でクジラは約400万ETHを買い増した(9,573万ETHから9,966万ETHへ)。現在の価格約4,300ドルで換算すると、約170億ドル相当となる。これは小規模な動きではなく、大口ウォレットはしばしばトレンドを先導するため、大量購入は強いラリーの布石になり得る。
特筆すべきは、クジラによる買い集めがETH価格が横ばいだった9月5日から10日の間に行われた点だ。これは早期のポジショニングを示唆しており、彼らもまたチャート上の上昇パターンに着目していた可能性がある。
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同時に、取引所の供給比率は0.145まで低下し、過去1年で最低水準を記録。8月末には0.156だった。
取引所供給比率は、取引所に保管されているETHの量を総供給量で割ったもの。準備金が減少しつつ供給が安定または増加していれば、市場で売却可能なETHが減り、需給の逼迫を示す上昇シグナルとなる。
Sponsoredつまり、クジラは数十億ドル規模のETHを追加し、取引所供給は減少している。市場に出回る供給が減る中で、大口の需要が増えている。これはブレイクアウトを後押しする理想的な条件といえる。
イーサリアム価格、ブレイクアウトを狙うも確認が必要
日足チャートでは、ETH価格が8月末から形成されている「フォーリングウェッジ」パターンの上限に迫っている。このパターンはブレイクアウトと関連しやすく、低い高値と低い安値が続いた後に価格が収束して形成される。ETHは現在、上限である4,320ドル付近をテスト中だ。
ただし、ブレイクアウトはまだ確定していない。日足でパターン上限を明確に上抜ける終値が必要となる。それが実現すれば、ETH価格は4,490ドル、4,670ドル、さらには過去最高値の4,950ドルを目指す可能性がある。
一方、ETHが4,210ドルを下回ると、ブレイクアウトのシナリオは後退し、4,060ドルへの下落が現実味を帯びる。
現状、クジラによる大量購入と取引所供給の減少が燃料となっている。残るは、チャートがその動きを確認するかどうかだ。