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パウエル氏がQT終了を示唆 暗号資産に流動性の追い風か

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著者:
Nhat Hoang

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編集:
Shota Oba

16日 10月 2025年 01:24 JST
Trusted-確かな情報源
  • パウエル氏は、連邦準備制度が量的引き締めを近く終了する可能性を示唆し、量的緩和への復帰の可能性についての憶測を呼んでいる。
  • アナリストによれば、新たな量的緩和が仮想通貨の強気相場を引き起こす可能性がある。ビットコインやアルトコインは、流動性拡大時に歴史的に急騰する。
  • 他の専門家は、QTの終了がQEの開始を意味しないと警告している。現在の金利が4.2%であるため、大きな経済的ストレスがない限り、短期的な緩和は難しいと指摘している。
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米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長による最近の発言が、量的緩和(QE)の再開を通じて暗号資産市場が再びブルサイクル(上昇局面)に突入する可能性をめぐり、活発な議論を呼んでいる。

アナリストたちはこの可能性についてどのように見ているのか――その見解を詳しく見ていこう。

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FRBは今後数カ月以内に量的緩和を再開するのか

2025年10月14日に開催された全米ビジネス経済学会(NABE)での講演で、パウエル議長は連邦準備制度理事会が量的引き締め(QT)プログラムの終了を検討していることを明らかにした。

同氏は、銀行の準備金が「適切な水準」に近づいていると指摘。過度な流動性の引き締めは経済成長を阻害しかねないため、QTの終了が近い可能性を示唆した。

アナリストの間では、QTの停止はQE再開への布石になり得るとの見方が広がっている。FRBが再び市場に流動性を供給すれば、コロナ禍(2020年)で行われた金融緩和と同様の効果が生じるとの声もある。

もしQEが再開されれば、ビットコインが最大の恩恵を受ける可能性が高い。過去のデータでは、QE実施期間中にリスク資産が急騰する傾向が確認されており、2020~2021年にはビットコインが1万ドル未満から6万ドル超へと急伸した。

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この政策転換はアルトコイン市場にも波及する可能性がある。BitMEX共同創設者のアーサー・ヘイズ氏はQTの終焉を宣言し、「今が買いの好機だ」と強気の見方を示した。

QTは終わった。トラックをバックさせて、すべてを買え —— アーサー・ヘイズ(BitMEX共同創設者)

一部のアナリストは、FRBの決定が市場に反映されるのは今後6か月以内になると見込んでいる

QTが終了してもQEが始まらない場合、ビットコインはどう動くか

ただし、すべての専門家が強気なわけではない。

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アナリストの₿rett氏は、パウエル発言の解釈が過剰であると指摘。QEは通常、フェデラルファンド金利がゼロ付近にあるときに実施されるが、現状の金利は4.2%と依然として高水準にある。

つまり、パウエル氏は「バランスシート縮小の停止」を示唆したに過ぎず、「QE再開」を直接的に表明したわけではない。

Quantitative Easing Periods. Source: ₿rett
量的緩和(QE)の実施期間 出典:₿rett

QE(青い影の期間)は、フェデラルファンド金利がゼロ近辺のときに始まる。現時点では4.2%であり、QE導入前にこの水準へ戻るには、深刻な経済危機と少なくとも12か月間の利下げが必要だ —— ₿rett(アナリスト)

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₿rett氏は、ビットコインの価格はQEやQTそのものよりも市場サイクルに沿って動く傾向があり、金融政策と必ずしも直接連動していないと分析する。長期的には、ビットコインは独自の需給構造で動いているという。

もっとも、2011年以降のデータをみると、ビットコインはQEまたはQTの終了直後に短期的な下落を経験する傾向がある。今回も同じパターンをたどるのか注目される。

要するに、FRBが本格的にQEを再開すれば、流動性の増加によってビットコインは急騰する可能性がある。一方で、QTを終了しても新たな資金供給が行われない場合、上昇シナリオは限定的となり、リスク要因が増すだろう。

市場は現在、今後発表される生産者物価指数(PPI)や失業率などのマクロ経済データを注視しており、これがFRBの次の一手を占う重要な手がかりになると見られている。

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