金融庁および警察庁は7日、暗号資産交換業者への不正送金対策の強化を目的として、全国銀行協会など複数の金融関連団体に対する要請を行った。要請は、インターネットバンキングを悪用した不正送金や特殊詐欺の被害金が暗号資産交換業者の口座に送金される事例が増加している現状を受けたもの。
要請内容は主に2つの対策に焦点を当てている。第1に、「振込名義変更による暗号資産交換業者への送金停止」であり、送金元の口座名義人と異なる名義での振込みを拒否する措置を含む。この策は、不正行為を未然に防ぐために、あらかじめウェブページなどを通じて利用者への周知が求められる。
Sponsored第2の対策では、「暗号資産交換業者への不正送金への監視強化」である。同措置により、暗号資産と法定通貨の交換ポイントとなる暗号資産交換業者との取引を監視し、リスク低減のための取引モニタリングの有効性を確保する。パターン分析やシナリオの検証を通じて、不正送金の抽出基準の改善が図られる。
要請は、一般社団法人全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、全国労働金庫協会、ゆうちょ銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫など、幅広い金融機関に向けて行われた。金融庁と警察庁が連名で行った要請は、利用者保護とともに、不正送金と特殊詐欺による被害の拡大を食い止めることを目的としている。