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FTX、政治献金の受領者に法的措置を警告

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ヘッドライン

  • 破綻した暗号資産取引所FTXが、政治家と米議員に資金返還を要求
  • 新CEOは、自主返還されない資金について回収の法的措置をとると警告
  • バンクマン-フリードが、個人的利益や政治献金目的で顧客資金を不正使用した疑いで告発される
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昨年11月に破産申請した、一時隆盛をきわめた暗号資産取引所FTXは、サム・バンクマン-フリード前CEOや彼の政権の他のメンバーが指示したとする「寄付やその他の支払い」の返還を求めている。

5日日曜に発表された声明の中で、FTXのジョン・J・レイ(John  Jay Ray III)新CEOは、同社が法的手段によって、自発的に返還されない資金を 「何らかの訴訟が開始された日から発生する利息を付けて」追及すると述べた。また、FTXにリンクした資金を慈善団体などの第三者に寄付した受取人に対しても、同社は引き続き資金回収を求めると警告している。

FTX、不正に流用された資金の返還を要求

FTXは、同取引所トークンであるFTT価格が急落したことを受け、不正資金の返還を要求している。この事件により、同取引所には出金に対応する十分な顧客資産の準備金がないことが明らかになり、取引所への駆け込みが起こった。その後、バンクマン-フリードは逮捕され、証券詐欺、マネーロンダリング、選挙資金違反など8つの金融犯罪で起訴された。彼は無罪を主張しているが、裁判の公判は2023年10月に開かれる予定。

バンクマン-フリードは、2020年の大統領選挙期間中に民主党候補者に大口献金を行っており、数十億ドルの顧客資金を不正に使用したとして訴えられている。彼はこれらの資金を、自身のトレーディング会社アラメダリサーチ(Alameda Research)の支援、私的不動産の購入、政治キャンペーンへの寄付などに使用した。バンクマン-フリードは、共和党の候補者にも資金を提供したと主張しているが、これらの寄付は”ダーク”、つまり資金の出所が明らかでないとも述べている。

米国の選挙資金およびロビー活動を監視する非営利団体”OpenSecrets.org”が管理する公開スプレッドシートによると、バンクマン-フリード、元FTX共同CEOのライアン・サラメ(Ryan Salame)、元技術責任者のニシャッド・シン(Nishad Singh)は、選挙候補や団体に8400万ドル以上を寄付したという。

世論の厳しい目にさらされる議員

先月、米国連邦選挙委員会に提出された文書によると、FTXの複数の幹部社員が、自身の過去について虚偽の供述をしたとして世論の批判を受けているジョージ・サントス議員(ニューヨーク州選出)に、多額の選挙活動資金を寄付していたことが明らかになった。

すでに、バンクマン-フリードから受領した資金を返還する動きを見せている政治家もいる。例えば、ベト・オルーク(Beto O’Rourke)元下院議員は、FTXが破産申請する直前に100万ドルの寄付を返却した。また、ディック・ダービン(Dick Durbin)、カーステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)の両上院議員らは、FTXから受け取った資金と同額を慈善団体に寄付すると表明している。

FTXとその関連会社から選挙候補や団体が利益を得た資金の範囲はまだ明らかにされておらず、FTXが新たに設けた期限を過ぎないと明白にはならないかもしれない。

FTXの声明により、同社に関連する資金を返還するよう政治家に圧力がかかるるとみられ、かつて高騰した暗号資産取引所の崩壊により政界がどの程度影響を受けたかが露呈される可能性もある。

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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