バイナンスのウォレットアプリに組み込まれた予測市場「Predict.fun」の利用者から、攻撃者が約40万ドルを盗み取った。バイナンスがこのプロジェクトのトークン取引を時価総額14億3000万ドルで開始した2日後の出来事。
Predict.funは、被害を受けた全ユーザーに全額を返金すると発表した。ただ、トークンはまだ未上場の段階であるにもかかわらず、既にトレーダーは借入金で購入を始めている。
攻撃者はどのようにしてPredict.funに侵入したのか
盗まれたのはUSDT(テザー)で、1ドルの価値を維持することを目的としたデジタルトークン。Predict.funは、選挙結果やサッカーの試合結果など実際の出来事に対し、「イエス」「ノー」のシェアを売買できるサービス。
同社の初期調査によると、意外な弱点が発端という。それは開発者向けにプラットフォーム接続方法を案内するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)ドキュメントサイトだった。
このサイトは外部業者が運営しており、現在はオフラインとなっている。Predict.funは、被害に遭った利用者数については明らかにしていない。
「本件によって直接損失を被った全ユーザーに対し、弊社は全額を補償する予定」とチームは表明した。
同様の事例は過去にも発生している。6月にはライバルのPolymarketも、外部業者のコードが原因で300万ドル流出後、全額補償を約束した。
Predict.funの時価総額14億ドルに疑念
事件は、バイナンス・フューチャーズがPredict.funのトークン「PREDICT」の提供を開始してからわずか2日後に発生。これらのプレ・マーケット契約では、トークンが正式リリース前から5倍までのレバレッジで売買できる。
しかし、アナリストによれば14億3000万ドルという評価額は過剰とされる。
「現行価格では時価総額が14億3000万ドルとなり、同種プロジェクトの何十倍にも上る」と、あるアナリストは指摘する。
同アナリストは、同様にバイナンスの仕組みで過去に上場した28トークンを調査。上場1カ月後の平均パフォーマンスはマイナス49%だった。Predict.funは現在もPREDICTの所有構成を公表していない。
なぜバイナンスの名が繰り返し登場するのか
バイナンスが同プラットフォームを所有しているわけではない。ただ、Predict.funがバイナンス・ウォレットの「予測」タブにサービスを提供し、バイナンスは3月からそのテストを開始していた。
バイナンス創業者チャンポン・ジャオ氏が支援する投資会社YZi Labsも、4月にPredict.funへの出資比率を拡大した。
わずか4カ月間で、予測市場2社が外部委託先での不正侵入をきっかけにユーザー全額返金を約束した格好。PREDICTトレーダーは、最終的な調査報告とトークン保有状況の公表を待っている。











