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ハーバード大学、ビットコイン投資急増でETF戦略を大胆に転換

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執筆&編集:
Shigeki Mori

17日 11月 2025年 14:12 JST
Trusted-確かな情報源
  • ハーバード大学がビットコイン ETF 保有を約257%増加し、約4億4,280万米ドルに達した。
  • ETF の普及が機関投資家の参入を後押しし、長期資金流入の構造が強まっている。
  • 長期保有主体の増加で流通量が減少し、将来的な価格上昇シナリオが現実味を帯びている。
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米国名門ハーバード大学は14日、“ビットコイン”への投資姿勢を大幅に拡大した。ビットコインに連動する現物型ETFを通じ、従来の株式・不動産中心から代替資産へ大きくシフトしており、機関投資家としての暗号資産受容が明確になった。

ハーバード大学のビットコイン ETF 保有が急成長

米SEC(証券取引委員会)への調査報告書によれば、ハーバード大学は IBIT(ブラックロック運用の現物ビットコイン ETF)を第3四半期に前年同期比で約257%増加させ、評価額で約4億4,280万米ドルに達した。 この規模のETF保有は、同大学の米国上場公開株式中で最大の単一ポジションとなった。 従来、大学の基金(エンダウメント)は上場株式や不動産、プライベートエクイティ中心に運用されてきたが、今回の動きは “暗号資産を間接的に組み入れる” という明示的な転換を示す。

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この背景には、インフレ・金利・資産多様化の視点から、ビットコイン ETF が株式や債券と相関の低い代替投資となる可能性があるとの判断があるものとみられる。

ビットコイン ETF 普及と機関参入の拡大背景

こうしたハーバード大の動きは、単独の事例にとどまらない。米国内では現物型ビットコイン ETF への資金流入が加速しており、機関投資家や年金基金での採用が進んでいる。 特に、ETF を通じてビットコインを取得できる仕組みは、従来の取引所・ウォレット直接保有と比べて、機関的な信頼性・ガバナンス・流動性・監査面で有利とされる。

暗号資産が「投機対象」から「ポートフォリオの一構成要素」へと位置づけを変えつつあるなか、ハーバードのような名門大学がこれを採用したことは、マーケット参加者の心理・制度設計にも波及効果を持つ。例えば、他の教育機関や年金基金が追随してビットコインETF導入を検討し始める可能性も高い。

ただし、同時に、暗号資産特有のボラティリティや規制リスクを無視してよいわけではない。機関投資の視点からは、投資対象としての収益期待とともに、リスク管理・流動性・規制変動などのファクターが重要である。

長期資金の参入で形成される新たな市場構造

グローバルの機関投資家の一部には、今回のハーバード大学による IBIT の大幅買い増しは「ビットコインを売却すべき時期ではない」ことを示す重要なシグナルだとの見方がある。大学基金は10〜30年の長期運用を前提とし、短期の価格変動で売却する投資行動をとらない。この特性により、ビットコイン市場では“売らない資金”が積み上がり、流通量は減少しやすくなる。

さらに、複数の米名門大学がビットコイン投資を検討しているとされ、ハーバードの動きが他の大学基金や年金基金に波及する可能性は高い。こうした「模倣効果」が広がれば、ETF 需要が供給量を上回る構図が続き、価格には構造的な上昇圧力として働く。日々の新規供給が限定的な一方、ETF は多い日で1000〜3000 BTC を吸収しており、需給の偏りが顕著となっている。

また、大学基金や年金、企業財務部門などは基本的に長期保有を前提とするため、買い増し後に市場へ戻る売りは限定的である。このため、市場全体の“浮動BTC”は減少し、下落局面でも買い支えが入りやすいとみられる。長期資金の参入はまだ初期段階にあり、今後、年金基金、保険会社、各国のソブリンウェルスファンドが本格参入すれば、市場構造自体が新たな段階に移行する可能性がある。

複数のアナリストは、ビットコイン価格の将来について、大学基金や年金などの保守的な機関が1%をビットコインに配分するだけでも12万〜15万ドルの上昇シナリオが現実的だと指摘する。ETF 需要が継続し、長期資金が積み上がれば、20万〜30万ドル帯、さらには企業や国家が保有するケースでは50万〜100万ドルといった強気シナリオも提示されている。
ハーバード大学の買い増しは、ビットコインが「長期運用の対象として認められつつある」ことを象徴する出来事であり、機関投資の本格化が市場の中長期的な方向性を左右する局面に入っている。

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