東京証券取引所に上場する自動車部品メーカーのイクヨーは、日本の貿易金融システムを近代化するため、ステーブルコイン決済協会の設立計画を発表した。
この取り組みは、支払いコスト削減、決済遅延の解消、複雑な手続きの簡素化を通じ、日本の輸出競争力を阻害する要因を除去することを目指している。イクヨーは金融機関、商社、フィンテック企業との連携を推進し、ブロックチェーンを基盤とした標準化決済インフラの構築を進める方針だ。
イクヨ、貿易金融の非効率性にステーブルコインで挑む
同社は9月24日、ステーブルコイン決済協会を設立する計画を公表した。これは日本の貿易金融における高コストや決済遅延といった構造的な課題に対処するものだ。
Sponsored協会は、ステーブルコインを活用して国際決済の効率を高め、輸出入取引の摩擦軽減を図る狙いがある。
イクヨーによれば、現在の貿易金融は依然として紙ベースに依存し、業界団体もB2B貿易金融に十分な焦点を当てていない。政府の貿易デジタル化推進策も、特に決済分野では遅れが目立つという。
企業・技術企業・政策立案者の目標
新設される協会は、幅広いメリットを提供する見込みだ。輸出入事業者は決済コストの低減やキャッシュフロー改善の恩恵を享受でき、技術企業には新たな市場機会がもたらされる。政府機関にとっても、デジタル経済を推進する信頼できる民間パートナーを得られる点が大きい。
会員資格は、金融機関、商社、製造業者、さらにはフィンテックやブロックチェーンプロバイダーなど、決済フローや物流、技術インフラを担うプレイヤーに開放される。
協会は、運用基準やセキュリティガイドラインを策定し、政府機関と連携して日本のデジタル経済を支援する方針である。
今回のステーブルコイン構想は、イクヨーが6月に成長戦略および資産多様化策の一環としてビットコインの定期購入を決定した流れを引き継ぐものだ。同社は7月には暗号資産マイニング事業への参入も発表している。
ビットコイン購入額は非公表だが、同社はすでにステーブルコインを活用し、カナダにおけるマイニング機材・電力・メンテナンス費用の一部を決済している。これは米国拠点のGalactic Holdingsとの資本提携を通じたものである。