Ionic Digital(ナスダック:IOND)は、28日火曜日のナスダック上場初日に、始値50ドルから60ドル台後半まで25%超上昇し、時価総額は約27億5000万ドルに達した。
Ionicは従来型の新規株式公開(IPO)ではなく、ダイレクトリスティング(直接上場)の手法で上場した。既存株主が保有株を直接売却し、新たな資金調達は行わなかった。
セルシウス破綻からナスダック上場へ
Ionic Digitalは2024年1月、セルシウス・ネットワークの破産手続きから誕生した。セルシウス・マイニングのビットコイン(BTC)マイニング機器の大半と、約1億9500万ドルの現金、さらに540BTCを引き継いだ。
Hut 8(ナスダック:HUT)は2024年2月に締結した4年契約に基づき、当初これらの採掘所を運営していた。しかしIonicは1年足らずでこの契約を終了し、直接運営に切り替えた。なお、Hut 8は引き続き少数株主として関与している。Hut 8自身も、同様のAIホスティング案件で今年株価が急騰している。
AIインフラへの転換
Ionicは現在、西テキサス州のCedarvale拠点(234メガワット)をAIクラウドプロバイダーのNscaleに貸し出している。10年契約で、契約収益はおよそ20億ドルに上る。2月の契約修正により、総額は26億ドルに拡大する可能性がある。
Ionicはビットコインのマイニングも継続している。テキサス州ミッドランドでは4拠点を運営し、5月の生産量は25BTC弱だった。トレジャリーは2861BTCに上る。今後はAI向け提供が増えることで、マイニングの生産量は減少する見通し。
この上場により、Ionicはビットコイン価格変動のリスク回避を目的にAIホスティングへ事業転換を進める企業群に加わる。Hut 8、TeraWulf、IRENも同様に長期的なAI関連契約の道を歩み始めている。
今回の上場により、セルシウス債権者には非公開の請求権ではなく流動性のある株式が提供される。Ionicの今後は、ビットコイン価格よりもAI事業の成否に一段と連動する構造となる。








