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中国、新たなステーブルコイン競争に備えるか

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著者:
Paul Kim

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編集:
Shota Oba

30日 9月 2025年 00:11 JST
Trusted-確かな情報源
  • 中国の新しい人民元連動型ステーブルコイン、AxCNHは、国境を越えた貿易を目的としている。
  • この動きは、中国が米国と通貨覇権を競う意図を示している。
  • ステーブルコインの市場価値は、新たな規制により70日間で15.8%増加した。
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中国政府が、人民元連動型ステーブルコインを国境を越える貿易で活用し、米国との通貨覇権争いに参入する可能性があると報じられている。

米国は7月にGENIUS法を可決し、ドル連動型ステーブルコインを通じて世界的な通貨支配の強化に動き出した。中国の参入は、ステーブルコインの普及と成長を一段と加速させる可能性がある。

新たな人民元連動ステーブルコイン、AxCNH

中国は最近、カザフスタンの金融当局から承認を得て、世界初の規制下にあるオフショア人民元連動ステーブルコインを発行した。月曜日、Layer-1ブロックチェーンプロジェクトConfluxのCTOであるヤン・グアン氏は、そう述べた同氏の企業はこの発行に関与している。

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同氏はさらに、新ステーブルコインAxCNHが人民元の国際化を後押しする狙いであると説明した。発行自体は国際的な注目を大きく集めなかったものの国境を越える決済を再構築し得る「バタフライ効果」を生む可能性があるという。

AxCNHはオフショア人民元に連動する暗号資産であり、中国の一帯一路構想(BRI)に関与する各国間の越境決済の効率化を目的に発行された。ドル起点の制裁リスクを和らげることも目指している。

一帯一路構想(BRI)は、2013年に中国が開始した、アジア・欧州・アフリカの連結強化を通じて、世界のインフラ・貿易・経済協力を促進する野心的戦略である。150超の国が参加し、中国は世界的な接続性と開発を前進させるために総額1兆3000億ドル超を投資している。

投資はインフラ、エネルギー、技術など戦略分野に及ぶ。経済成長の梃子と評価する向きがある一方で、同構想を通じた中国の影響力拡大に懸念を示す国・アナリストも少なくない。

業界関係者の間では、香港のフィンテック企業AnchorXが発行するステーブルコインに対し、中国政府が大きな影響力を持つとの見方が出ている。

ConfluxはAxCNHの基盤技術を提供しており、中国政府から公式承認を受けた数少ないパブリックブロックチェーンの一つとされる。同ネットワークは1秒あたり3000件超のトランザクション処理能力を有すると報じられている。

今回の動きが、ステーブルコイン市場規模の一段の拡大につながるかも焦点だ。ステーブルコイン市場は、規模が急拡大する局面で上昇トレンドを強める傾向がある。

7月18日に米国のGENIUS法が可決された時点で、世界のステーブルコイン時価総額は2672億ドルだった。その後、増勢を強め、月曜日には3094億ドルに到達。わずか70日余りで15.8%の増加となった。

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