日本、英・トルコ・米を揺るがせた異例政策を再実施

  • 日本は、日銀が金融引き締めと資産圧縮を進める中、財政支出を拡大する方針だ。
  • 同様の政策対立は、英国、トルコ、戦後の米国でも起きていた。
  • 再び円キャリートレードの解消が起これば、ビットコインや株式、債券に下押し圧力となる可能性がある。
プロモーション

日本政府は日銀が金利を引き上げ、国債保有を縮小する中、公的年金基金に国内資産の保有拡大を求めている。日本の政策は、財政刺激策と金融引き締めが対立する構図となっている。

片山さつき財務相は今週、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的基金による国内資産保有の増加をめざす意向を示した。これは日銀の緩和縮小に伴い、国債や円相場の安定を図る狙い。

スポンサード
スポンサード

日本の政策分裂は意図的

GPIFの運用資産は約1兆8000億ドルに達し、世界最大規模。運用資産の約半分が海外株式・債券に投じられており、わずかな国内シフトでも世界市場に波及する。今回の動きは、国会議員らによる国内投資拡大要求を受けたもの。

このメッセージが発信された背景には高インフレがある。公式統計によれば、6月の国内企業物価は前年同月比7.1%上昇で、5月の6.6%から加速した。上昇の主因は石油、電力、プラスチックで、通常インフレ加速は国債利回りの上昇要因となる。しかし、年金資金拡大の報道後10年債利回りは1日で10ベーシスポイント低下、2.775%となった。

日本10年債利回り。 出典:TradingView
日本10年債利回り 出典: TradingView

一方、日銀は政策金利を1%まで引き上げ、1995年以来の高水準とし、国債購入も段階的に減らしている。

政府は逆方向に動いている。高市早苗首相は、新規国債発行による消費税減税と現金給付を予定している。今年1月には、40年債利回りが初めて4%を上回り、記録的な国債売りが発生した。

「日本は現在、政策引き締め、バランスシート縮小、そして財政支出拡大を同時に実施しており、これは前例がない」とアナリストのBull Theory氏が指摘している。

スポンサード
スポンサード

最新ニュースはこちらのXでも発信中

歴史は警鐘を鳴らす

他国でも、財政拡大と金融引き締めを同時に実施した例があるが、穏やかに収束した事例は少ない。

2022年9月、イギリスが450億ポンド規模のミニ予算案を発表した際、イングランド銀行は利上げを続けていた。30年債の利回りは数日で約120ベーシスポイント急騰、レバレッジをかけた年金基金がマージンコール対応のため売却に動いた。

中央銀行は緊急措置で市場介入を余儀なくされ、リズ・トラス首相は49日で辞任した。

トルコのケースはより緩慢だった。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は高インフレ下でも利下げを強行し、抵抗した総裁を次々と解任した。リラは2021年に約44%下落し、その後インフレ率は85%を超えた。

この対立は古くから存在する。1951年、米国では財務省・FRBのアコードによって、FRBは長年の低金利国債支援から解放された。

当時は第二次世界大戦の財源確保のため、長期金利を2.5%付近に固定していた。これは財政が金融政策に優越する典型例だった。

暗号資産市場が注目すべき理由

日本の存在感は、円キャリートレードを通じてデジタル資産市場にも及ぶ。これは円で低利借り入れを行い、海外の高利回り資産に投資する取引で、数兆ドル規模とされる。

日銀が2024年7月に利上げした後、円キャリートレードは急速に巻き戻された。8月初旬、日経平均株価は1日で12.4%下落し、1987年以来の下げ幅となった。ビットコイン(BTC)も5万ドルを割り込んだ。

現在の状況は既視感がある。円ショートポジションは2024年以来の高水準となっている。アナリストはまた、日本の国債市場が株式や暗号資産の安値買いブームに冷や水を浴びせるリスクも警告している。日本の債務残高は先進国で最も重く、経済規模の2倍超に達しており、政策運営の余地は極めて限定的。

日本が債務増加をショックなく吸収できるかは、年金基金が実際にどれだけ購入するか、日銀が金融引き締めをいつまで続けるかにかかっている。かつて東京を無視していた市場も、現在はあらゆるシグナルを注視している。


BeInCryptoの最新の暗号資産市場分析は、こちらをご覧ください

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード