ゆうちょ銀行は29日、セキュリティトークン決済のためにDCJPYを活用したデジタル預金通貨を導入する計画を発表した。金融インフラの効率を高め、日本経済全体での幅広い応用を模索することを目的としている。
日本経済新聞によると、ゆうちょ銀行は2026年までに口座保有者向けにデジタル預金通貨を導入する準備を進めている。
DCJPYの為替レートは1円に固定
Sponsoredこの取り組みでは、インターネットイニシアティブジャパン(IIJ)グループのもとでデジレットDCPが開発したDCJPYを使用し、デジタル証券やその他の金融商品を決済する。銀行はまた、地方自治体の補助金支払いにこのシステムを利用することも検討している。
計画されているDCJPYシステムでは、預金者が専用口座を既存の貯蓄口座にリンクし、円と1対1のレートで残高を交換できるようにする。日本最大の預金機関であるゆうちょ銀行は、約1億2000万の口座を持ち、預金総額は約136兆円に達しており、DCJPY発行のための大きな潜在的基盤を形成している。これにより、日本のデジタル資産エコシステム内での通貨の存在感が大幅に拡大する可能性がある。
最近認可されたJPYCのようなステーブルコインとは異なり、DCJPYは規制当局が「トークン化された預金」と定義するものを表している。ステーブルコインは一般的に公共のブロックチェーン上で発行され、世界中でアクセス可能であるのに対し、トークン化された預金は規制された金融機関によって管理される承認済みブロックチェーン上でのみ発行される。
デジレットDCPは、デジレットホールディングスの子会社であり、IIJが最大の株主として支援している。DCJPYは昨年8月に正式に開始され、同年9月にはDCJPY事業インフラを強化するために約63億5000万円を調達した。
相互運用性の課題が待ち受ける
当初、ゆうちょ銀行はDCJPYを主にセキュリティトークン決済に使用する意向。しかし、規制と安全性の考慮から、セキュリティトークンは現在、承認済みブロックチェーン上で発行されており、プラットフォーム間の相互運用性が重要な課題となっている。
日本のステーブルコインに関する規制の進展は2025年に加速し、JPYCが今年初めに国内初のステーブルコインライセンスを取得したことがその一例。ゆうちょ銀行のブロックチェーンベースの決済への参入により、国内最大の金融機関が分散型台帳技術をより真剣に受け入れ始めている。アナリストは、採用が拡大するにつれて、日本のフィンテック業界での競争が激化する可能性があると示唆している。