米金融大手JPモルガンは15日、アバランチ(AVAX)などともに現実資産(RWA)のトークン化および、スマートコントラクト技術などを使った概念実証(PoC)を行った。同実証はシンガポール金融管理局(MAS)のプロジェクトガーディアンのもと行われた。
PoCはブロックチェーン、スマートコントラクト、トークン化技術を活用し、ポートフォリオ管理を自動・合理化する試みである。実証では、クロスチェーンプロトコル「LayerZero」を使用し、JPモルガンのブロックチェーンプラットフォーム「オニキス」と「アバランチ・エバーグリーン・サブネット」を接続する。PoCはテストネット環境で運用されている。
同インフラの構築により、オニキス・デジタル・アセットのポートフォリオは、ウィズダムツリーが提供するトークン化されたファンドにアクセス可能となった。加えて、流動資産とともに、通常取引や管理が困難な代替資産(アルト)の組み入れが可能となった。資金調達、オーダー実行、決済の標準化と自動化が実現し、アルト投資の管理が簡素化された。相互運用プロトコルの導入により、異なるブロックチェーンプラットフォーム上のトークン化ファンドへのアクセスが容易となり、ポートフォリオ管理における効率化が示された。
- 流動資産(Liquid Assets): 現金にすぐに変換可能な資産を指す。具体例には現金自体、銀行の預金、市場で容易に売買できる株式や債券などが含まれる。
- 代替資産(Alternative Assets): 伝統的な株式や債券以外の投資対象を指し、不動産、ヘッジファンド、プライベートエクイティ、コモディティ、最近では仮想通貨やNFTなどが含まれる
オニキスは、1日に10億〜20億ドルのトークン化資産を処理し、これまでに9500億ドル以上のトークン化資産の決済を行ってきた。アバランチ・エバーグリーン・サブネットは、アバランチのエコシステムに組み込まれる個別のブロックチェーンで、機関向けのネットワークとして設計されている。
アバランチ開発機関Ava Labsのジョン・ウー代表は、「プロジェクトガーディアンの取り組みは、アバランチの速度、スケーラビリティ、カスタマイズ性を活用しながら、世界の資産を、トークン化するためのツールと技術を提供するアバ・ラボの使命と根本的に一致している」と語った。
金融庁は30日、MAS、スイス金融市場監督機構(FINMA)、英金融行動監督機構(FCA)と提携し、債券・為替商品・現実資産(RWA)のトークン化のパイロット実験を行うと発表。4機関は同日、政策立案者と規制当局間のさらなる国際協力の必要性の高まりを受け、MASが22年5月より推進するプロジェクトである「Project Guardian」の政策立案グループを設立している。MASは三菱UFJ銀行などもともにトークン化のスキーム策定も行っている。
AVAX、前日比29%高騰
AVAXは同報道を受け高騰。方向執筆時点で22.49ドルで取引されており、前日比29.21%増となってる。コインマーケットキャップによれば、取引量は前日比107%増で7位の取引量をとなっている。「クジラ保有率」によると、88.5%のAVAXホルダーがクジラ(大口投資家)となっている。
当社オン・チェーンアナリスト、イブラハム・アジバデ氏は、Into the Blockのデータを引き合いに「40万2470人の保有者が平均価格22.98ドルで295万AVAXを購入していることから、これらの投資家が早期に売却すると、AVAX価格の調整を引き起こす可能性がある」と指摘。一方で上昇トレンドによって22.98ドルを突破すれば、AVAXの価格は30ドルを取り戻す可能性が高いとの見立てを示した。
下落シナリオとして同氏は「AVAXが12ドル以下に下落した場合、最低14.96ドルで797万AVAXを購入した77万1030人の保有者がサポートとして機能する可能性がある。同投資家らが売らずに保有を続けることで、アバランチ価格は大幅な下落を回避できるだろう」と語った。
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