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DeFiプラットフォームのTVLを追跡するDefiLlamaとは何か?

24 mins

分散型金融(DeFi)の世界においては、現在プロジェクト数が急増し、それとともにユーザーも増え続けています。こうした状況において、ユーザーが必要とするデータは膨大ですが、DeFiは分散型であるため、DeFiアプリを使った情報集約は難しくなっています。DefiLlamaのような、DeFiプロトコルやその預資産の価値をランキングで分析できるDeFiアグリゲーター・プラットフォームは、DeFiにおける主要プロジェクトの預かり資産の価値を簡単に分析でき、またユーザーに対して最新情報を無料で提供しています。

この記事では、DefiLlamaとは何か、DeFi市場のデータ入手にDefiLlamaがなぜ最適なのか、その使用の重要性、DefiLlamaの代替サイトなどについて、詳しく解説します。

DefiLlamaとは?

ユーザーダッシュボード: DefiLlama

DefiLlamaは現在、完全なオープンソースとして最大かつ透明性の高いDeFiデータアグリゲーターです。これは、イーサリアム、様々なDEX(分散型取引所)、レンディングプロトコル、イールドファーミング、ステーキングプールなどのプロジェクトのTVL(DeFiに預けられた暗号資産の総価値)などの分散型金融のすべてを網羅し追跡する、分析ダッシュボードです。

DefiLlamaは、DeFi市場データプロバイダーとしては最も正確で、最新のリアルタイムデータを必要としている個人が無料で利用できるリサーチツールです。このプラットフォームは、テラアバランチ、カルダノを含む主要チェーン全体の情報を追跡しています。DeFiアプリケーションは分散型であるため、その情報の追跡が困難とされています。DefiLlamaは、このジレンマの解決を目指して取り組んでいます。

DefiLlamaの由来

DefiLlamaプラットフォームは、2020年10月に正式に公開されました。当時のプラットフォーム開発者は、ユーザーがDeFiエコシステムを全体的に見渡せる、中央集権型プラットフォームの必要性を認識していました。今では最も人気のあるDeFiモニタリング用のプラットフォームの1つになっています。

DefiLlamaの設立に貢献した一人として、匿名の「0xngmi」という人物が挙げられています。ここで注意すべき点は、DefiLlamaにほぼ似たサイト(llama.fi、現在はDeFiLlamaのメインサイトにリダイレクトされる)が過去に出現し、その後2023年にDeFiLlamaのリーダーシップが論議の対象になったこと、またDefiLlamaのチームメンバーが残りのリーダー達の支持なしに、LLAMAトークンを立ち上げようとしたと報道された経緯があることです。

チームメンバーの1人である「Tendeeno」によれば、「0xLlam4」が本来の創設者であり、0xngmiはDefiLlamaチームに加わって以来プロジェクトの開発に責任を持つ法的マジョリティーオーナーであると述べています。ちなみに、共同設立者としては、チャールズ・ワトキンス氏とベン・ハウザー氏が知られています。

関係者は、その後リーダーシップをめぐる論議を収束させ、2023年3月20日に以下の声明を発表しました:

「1/3 DeFiLlamaチームは、3月19日に明らかになった出来事について、コミュニケーション不足とチーム内の誤解が招いた結果であったことをここにお詫び申し上げます」

DefiLlamaの今後のロードマップ

担当チームは、今後プラットフォームの機能の拡張を計画しています。これには、より多くのDeFiプロトコルやチェーンとの統合、通知やアラートといった追加機能などが含まれます。すでに追加されたアップデートには、DEXの取引量や取引手数料といった新しい指標の導入などがあります。現在、DefiLlamaプロジェクトはそのコミュニティが主導しており、投資家や他の組織から資金提供は受けていません。

DefiLlamaの仕組みとは?

DefiLlamaプラットフォームは、様々なブロックチェーンからデータを集約し、ユーザーに最新かつリアルタイムでDeFi市場のインサイトを提供しています。ユーザーはそのウェブサイトにおいて、異なるDeFiチェーン、DeFiアプリケーション、フォーク(分岐)オラクル、NFTからクロスチェーンデータを追跡できます。DefiLlamaは、80以上のレイヤー1ブロックチェーンと数百のアプリケーション、またCoinGeckoUniswapから直接情報を入手しています。

DefiLlamaのダッシュボードは、米ドルベースで様々なアクティビティをカバーするTVLとランキングに加えて、各種ブロックチェーンやプロトコルからのTVLも表示します。ダッシュボードでは、1日、1週間、1ヶ月間の変化率が表示されます。ユーザーは選択したチェーンに基づき、ランキングをスクロールできます。また、サイドバーメニューには、イールドファーミングプロトコル、エアドロップ、NFTなどを監視および追跡する個別のセクションがあります。

なぜDefiLlamaが重要なのか?

まず第一に前提として言えることは、DeFiは大きく伸びてゆく傾向にあることです。下のグラフは、2018年から2023年1月までのDeFiユーザー数、および月間の一意的DeFiユーザー数を示しています。分散型金融が指数関数的に伸びていることが見て取れます。

時系列でみたDeFiユーザー:Dune Analytics 

また、最近では、広範囲に及ぶアプリやプラットフォームに関するDeFiのマーケットデータやプロトコルの追跡・監視は困難になっています。DeFiは分散型インフラであるため、その場で詳細な情報を提供できる中央集権的な「エンジン」はありません。関係者は、最新の情報を得るために、各プラットフォームやデータベースを個別にチェックする必要があります。これには非常に時間がかかり、手数料が求められる場合はそのコストもかかります。

DefiLlamaが非常に人気が高い理由はまさにそこにあります。DefiLlamaは、ユーザーに代わって、正確かつ最新の情報を使って詳細な情報を提供し、しかもユーザーには一切費用がかかりません。DefiLlamaはまた、掲載されたプロジェクトの露出と可視性を高めることで、DeFi分野における競争とイノベーションを促しています。こうしたサービスは、国際的な銀行でもDeFiの採用が主流になっている今現在が、絶好の利用機会となっています。

「DeFiプラットフォームが示す信頼性の高い技術は、暗号資産エコシステムに対する不信感が広範囲に及んでいる状況においても、金融の未来への重要な架け橋として受けとめられており、銀行もその流れに乗りつつある」

Bitrue Exchange、Robert Quartly-Janeiro CSO(最高戦略責任者):

BeInCrypto

DefiLlamaの特徴

DefiLlamaプラットフォームの最大の特徴は、そのアグリゲーター機能にあります。幅広いDeFiプロトコルと、それぞれの性能・生産性を1つのアプリに集約しています。ユーザーは、直感に訴える1つのダッシュボードで情報を眺めることができます。このプラットフォームではまた、アプリケーションの展開をベースにTVLをセグメント化しています。例えば、Curve Financeは、イーサリアムやアービトラムを含む様々なネットワークで展開していますが、DefiLlamaのダッシュボードではそれらの動きを1つの簡単なTVLのチャートにまとめています。

Curve Finance: DefiLlama

DefiLlamaは現在、以下からのデータをベースにTVLを追跡しています:

  • イーサリアム、ソラナ、アバランチを含む主要ブロックチェーンの大部分
  • Curve、Uniswap、SushiSwapを含む主要なDEXのすべて
  • AAVE、Abracadabraを含む主要なレンディングプロトコル

また、DefiLlamaプラットフォームのプロトコルエクスプローラーでは、ユーザーは検索インデックスを操作して、トークノミクス、リスク要因、ガバナンスなどのプロトコルの特徴を確認できます。その他にもプラットフォームの主な追加機能として以下があります。

Meta-DEXアグリゲーター

DefiLlamaは最近、新しいMeta-DEXアグリゲーター機能をリリースしました(現在はまだベータ版です)。この機能は、ユーザーがCowswapや1inchなどの他の人気アグリゲーターに照会し、(ユーザーが希望するDEX取引の)ベスト価格を見つけるのに役立ちます。DefiLlamaはスワップの手数料を取らないため、ユーザーは大口のオンチェーン注文を実行する際にも、(手数料を考えずに)ベスト価格が見つけられます。

Metaアグリゲーター: DeFiLlama Swap

エアドロップ

これも最近ダッシュボードに追加された機能です。ユーザーは、基本的に、130の異なるネットワーク上で近いうちにエアドロップがあると噂されているすべてのDeFiトークンまたはプロジェクトをチェックできます。この機能は、エアドロップに早く参加したい、かつプロジェクト全体を1つのプラットフォームで一括して調査したいというユーザーには、とりわけ便利な機能です。チェーンやTVL区分での照会のフィルタリングもできます。

エアドロップ:DefiLlama

NFT

NFTアグリゲーターは、DefiLlamaには当初なかった機能です。しかし、現在ではユーザーは、DefiLlamaのダッシュボードで、上位のNFTコレクションとNFTマーケットプレイスを検索できるようになっています。このアグリゲーター機能においては、最低価格、コレクションの総供給量、日次または週次での価格変動などの詳細が表示されます。またユーザーは、NFTマーケットプレイスセクションで、各プラットフォームの取引金額と取引数を確認できます。

NFTマーケットプレイスの取引金額と取引数: DefiLlama

DefiLlamaの代替サイトにはどのようなものがあるか?

DefiLlamaは最大のTVL DeFiデータアグリゲーターかもしれませんが、以下のように、有名な競合他社もあります。これらの競合他社は、トラフィック、コミュニティ投票、レビュー、取引金額別にランク付けされています。

  • Etherscan.io:イーサリアムのブロックチェーン取引の詳細を提示する、分析プラットフォーム兼ブロックエクスプローラーです。提示されるデータには、ウォレットアドレス、スマートコントラクト、トランザクションデータなど、イーサリアムに関連するすべてのデータが含まれます。イーサリアムネットワーク向けの最も信頼できるブロックチェーンエクスプローラーです。
  • DappRadar:これは最大のWeb3 DApp情報配信プラットフォームで、ユーザーはDAppのパフォーマンスを時系列で追跡・分析できます。ユーザーがゲームやNFTを含むあらゆるDeFiを取引できるDAppストアです。
  • DeFiPulse:このプラットフォームはDeFiモニタリング用の検索サイトです。TVLの元祖イノベーターとしても知られています。プラットフォームデータの中心にあるのは、イーサリアムのエコシステムです。DeFiの累積リスト、最高のDeFiリソースコレクション、DeFi Pulse Farmerのニュースレターが閲覧できます。
  • CoinMarketCap:世界最大の暗号資産価格の追跡ウェブサイトです。ライブデータとチャートを完備し、あらゆる暗号資産プロジェクト向けの信頼できるソースです。

DefiLlamaはDeFiの未来に貢献

DeFiの未来は有望です。市場における需要の増大とともに、より速く、より信頼できるデータへのニーズが高まっているからです。DefiLlamaは、多くのブロックチェーン上のオープンで自由参加型のプロトコルから直接データを入手して配信しています。加えて、そのAPIもオープンかつ無料で使用できます。DeFiデータアグリゲーターの利用は、DefiLlamaを先頭にして、今後もますます増加していくとみられます。

よくある質問

DefiLlamaは何に使われるのですか?

DefiLlamaはDeFi分析の使用に適していますか?

DefiLlamaの競合他社はどこですか?

DefiLlamaの創設者は誰ですか?

DefiLlamaはどのように収益を得ているのですか?

DefiLlamaに代わるものはありますか?

DefiLlamaのデータはどのくらい正確なのでしょうか?

DefiLlamaのデータはどれくらいの頻度で更新されるのですか?

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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