トラスティッド

ドージコインの今後を左右する4つの重要ポイントと基礎知識|2025年版

28分
投稿者 Shota Oba
編集 Shigeki Mori

ヘッドライン

  • ドージコインはETF申請や企業の決済採用を通じて、ミームから実需と制度性を備えた金融資産へと進化中
  • PoW型の堅牢な技術基盤に加え、GigaWalletやDRC-20など開発が進み、実用性と開発環境が強化されています
  • 競合の台頭や相場循環で影響を受けやすいが、高いブランド力と流動性を活かし中長期的な成長余地も残っています

人気のドージコイン(DOGE)は今や初心者から中級者の投資家まで幅広い層が注目しています。2025年現在、単なる話題性を超えて、ドージコインの価格や価値に影響を与える基礎的な要因(ファンダメンタルズ)が再びクローズアップされており、その将来性をどう見極めるかが投資判断のカギを握っています。

本稿では、ドージコインの今後を左右する4つの重要ポイントに絞り、最新データや具体的な事例を交えながら分かりやすく解説します。

ドージコインとは?

ドージコインは、2013年にビリー・マーカス氏とジャクソン・パーマー氏によって誕生した、インターネットミーム由来の初のミームコインです。開発のきっかけは、当時注目を集めていたビットコインと、柴犬「かぼす」の写真が使われた「Doge」ミームの流行を組み合わせた点にあります。

同コインは、ライトコインのコードベースを土台としています。ライトコイン自体は2011年、ビットコインをモデルとして、取引処理のスピード向上を目的に開発された経緯があります。ビットコイン・ライトコイン・ドージコインの三者はいずれもPoW(Proof of Work)をコンセンサスアルゴリズムに採用し、技術的な共通点が多いのが特徴です。

ただし、ドージコインにはビットコインと異なり供給上限がなく、毎年50億DOGEが新たに発行されるため、インフレ資産として分類されます。もともとはオンラインでのチップ用暗号資産として設計され、迅速な取引確認と低い手数料が特徴です。

関連記事:PoSとPoWの違いやメリット・デメリットを解説

ドージコインの今後を左右する4つの重要ポイント

ドージコイン価格分析、DOGE、ドージコインETF

1. 金融商品としての地位向上

  • ドージコインは現物ETF申請・上場の動きが加速し、機関投資家を中心に金融商品としての信頼性が高まっている。

2. 決済手段としての採用拡大

  • 送金コストの低さと実用性が評価され、米テスラやマイクロソフト、日本の不動産会社などグローバルでDOGE決済が拡大している。

3. 技術基盤とネットワーク開発

  • シンプルなPoW型チェーンを軸に、DogeBoxやGigaWalletなど企業・開発者向けインフラも進化。DRC-20規格の登場で利用の幅も広がっている。

4. 市場動向と競合状況

  • 新たなミームコインの台頭で市場シェアは徐々に低下傾向だが、ドージコインは依然として高い流動性とブランド力を維持している。

1:ドージコインETFの現状と展望:金融商品としての地位向上

ドージコイン・トラスト・グレースケール

金融商品としての地位向上

ドージコインはかつて「ジョークコイン」と呼ばれていましたが、現在は大手金融商品への進化が進んでいます。とくに現物ETF(上場投資信託)の申請や主要市場での取扱い開始をきっかけに、機関投資家からの関心が高まりつつあります。ETFによって個人・機関問わず投資家層が拡大し、信頼性や正当性が一段と増しています。

【主なETF申請と事例】

ビットコインやイーサリアムと同様、先物ETFの申請例はまだありませんが、今後同様の動きが出てくる可能性があります。

【グローバル動向】
欧州(スイス、ドイツ)は仮想通貨ETF規制が比較的柔軟。21Sharesの拠点であるスイスでは上場計画が進行中。カナダや香港も今後の有望市場ですが、2025年6月時点で大きな進展はありません。

SECの動向と規制環境

21SharesとBitwiseによるドージコインETF申請へのSEC判断は2025年6月以降に延期。投資家の期待感は高まっています。

  • 2024年の米大統領選後、仮想通貨への規制姿勢が軟化し、ビットコインやイーサリアムETFの承認成功も追い風
  • SECは70件以上の仮想通貨ETF申請を審査中。21Sharesの最終決定期限は2026年1月9日、Bitwiseは2025年6月15日

【リスク・課題】

  • 規制リスク:技術基盤やユースケースが限定的なため、SECは慎重に審査
  • 市場ボラティリティ:価格変動が大きくリスクも高い
  • 運用コスト:ETF管理手数料が投資リターンに影響
  • 流動性リスク:市場流動性が他コインより低い場合、ETF取引効率に影響

Polymarketは2025年末までの承認確率を66%と予測。決定が2026年までずれ込む可能性も残ります。ブリッケンの市場アナリスト、エンマヌエル・カルドーゾ氏はBeInCryptoに対して以下のように語っています:

ドージコインETFの可能性は、アトキンスが指揮を執ることで確実に高まる。彼は暗号資産に対する明確なルールを求めていることで知られており、これがSECをよりオープンにし、すでにデスクにある他の暗号資産ETF提案の承認に向けて動く可能性がある

ドージコインETF 主要申請状況まとめ

申請者申請日SEC決定期限現在の状況
21Shares2025年4月2026年1月9日SECによって認識、レビュー中
Bitwise2025年4月2025年6月15日決定待ち
Grayscale未確認未確認信託商品運用中、ETF申請の可能性あり

関連記事:ドージコインETFはいつ承認されるのか?

2:決済手段としての採用拡大 – 実需によるユースケースの増加

bic_DOGE_ドージコイン-カバー_コイン_ネガティブ

ドージコインは、ミームコインとして生まれたにもかかわらず、決済通貨やチップ(投げ銭)として世界中の企業・団体に広がっています。送金手数料の安さや取引の速さ、小額決済に向いた特徴が評価され、2025年にかけてグローバル企業による採用が加速。日本でも、ドージコインを実際の支払い手段として受け入れる動きが見られます。この実需の増加はドージコインの価値と信頼性を下支えしています。

ドージコイン決済の主な対応事例

採用企業・団体業界DOGEの用途開始年
テスラ(米)自動車グッズ購入(決済通貨)2021
ダラス・マーベリックスNBAバスケットチケット・グッズ購入2021
スペースX(米)航空宇宙グッズ購入(決済通貨)2022
オープンハウス(日本)不動産物件購入代金(決済通貨)2025
bitFlyer(日本)仮想通貨取引所DOGE/JPYペアの提供2024
マイクロソフト(米)ITソフトやゲーム購入(BitPay経由)2025

企業による採用動向

グローバルなトレンド

欧州ではホスティングやVPN、アジアでは旅行・慈善など多様な分野でDOGE決済が普及。世界的に実需が拡大しています。

ドージコイン財団の最新動向

  • 2025年2月、ドージコイン財団は米スポーツ・飲食・政府機関などと決済導入を協議。詳細発表が期待されています。
  • House of Doge2025年第2四半期にIPO予定。2025年3月、公式ドージコイン準備金を創設し、1,000万DOGE(約180万ドル)を購入。
  • 財団は大手スポンサー獲得など、マスアダプション推進にも注力中。

著名投資家として知られるマーク・キューバン氏も以下のように語っています:

ドージコイン(Doge)には「決定論的インフレ(deterministic inflation)」があり、これはインフレ量があらかじめ明確に定められていることを意味する。つまり、新規発行されるコインの量やインフレ率について不確実性が存在しない。この特徴により、ドージが実用的な決済手段として普及する可能性はある。ただ不透明なのは、果たして十分な人数が実際にその用途でドージを利用するかどうか、という点である。

実需拡大の影響

企業によるドージコイン決済の広がりは、実需の増加と信頼感の強化につながっています。専門家も「使われる通貨」としての成長を高く評価しており、長期的な価値安定を後押ししています。

3:技術開発とネットワークの基礎力

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ドージコインの将来性を見極める上で、ブロックチェーン技術の基盤・開発体制・ネットワーク状況は欠かせません。送金通貨としての堅実さや、直近の技術トレンド・コミュニティの成長、分散性の水準を中心に解説します。

ドージコインの基本仕様とネットワーク概要

項目内容
公開2013年12月、Litecoin由来のオープンソース
コンセンサスProof of Work(PoW)。2014年以降はLTCとの合併マイニングを採用
ブロックタイム約1分(取引が速い)
発行上限無制限(年間約50億DOGE発行/インフレ率3〜4%)
流通量2025年時点で約1,400億DOGE、時価総額6兆円規模
手数料約1DOGE(30円前後)と非常に安価
スマートコントラクト未対応(将来のブリッジ案は議論中)
開発主体有志ボランティア+Dogecoin Foundation(財団)

特徴

  • ドージコインはライトコイン由来のシンプルなコードをベースに、送金速度と手数料の安さに特化しています。
  • 2014年以降はライトコインと合併マイニングを行い、マイナー不足による攻撃リスクを低減
  • スマートコントラクトやDeFi対応など高度な機能はありませんが、安定した基盤を保っています。

取引件数・アクティブアドレス数の推移

  • 取引件数の急増
    2023年5月、独自規格「DRC-20(ドージコイン版トークン規格)」の登場でネットワークが一時活性化し、取引数が64.5万件/日を記録。これはビットコインやライトコインを一時的に上回るほどの規模でした。その後、落ち着きを取り戻していますが、新たな機能追加が実需に直結しやすいことを示す好例です。
  • アクティブアドレス数の変動
    2024年11月には、米大統領選を契機にドージコインが注目され、1日あたり175万アドレスまで利用者が急増。しかし、話題が落ち着くと利用者数は再び減少し、2025年3月時点では約8.7万アドレスに戻っています。ニュースや話題性で一時的に利用が膨らみやすい反面、「定着しづらい」という課題もあります。

技術開発の進捗とプロジェクト

2021年以降、開発は再び活発化。ドージコイン財団を中心に、次のようなプロジェクトが進行中です。

  • Libdogecoin
    DOGEのコア機能を他アプリでも利用できるC言語ライブラリ。開発者が自社アプリやサービスにドージコイン決済などを簡単に組み込める基盤。
  • GigaWallet
    企業向けの決済インフラ。ノード運用やAPIの簡素化で、オンラインショップや各種サービスにドージコイン決済を簡単導入できるようになります。
  • RadioDoge
    インターネット未整備地域向けに、Starlink衛星や無線通信を活用し、インフラに縛られず送金可能にする野心的プロジェクト。
  • Dogebox
    2025年にリリース予定の分散型インフラストラクチャー。オンラインストアのホスティング、決済ネットワークへの接続を簡単にし、世界中のビジネスがドージコインを直接決済手段として採用できる環境を目指しています。

資金面でも、イーサリアム共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏や匿名の支援者から多額の寄付を獲得。開発・広報・マスアダプション促進のためのスポンサー契約も進行中です。

普及の目標
財団は「2025年までに小売100万店舗でドージコイン決済導入」という野心的なビジョンを掲げ、技術開発と普及活動を両輪で進めています。

分散性・ネットワークの安全性

出典:コインマーケットキャップ
  • 分散性の水準
    PoW型で世界中のマイナーによって支えられ、基本的には分散型。しかし上位10アドレスで全体の約44%、上位100アドレスでは63%超を保有する偏りがあり、大口保有者(クジラ)の動向には要注意です(取引所口座も含む)。
  • 規制面の評価
    2025年3月、米SECは「PoW型仮想通貨は証券規制の対象外」と見解。CFTCはビットコイン・ライトコイン・ドージコインを「商品(コモディティ)」として公式に分類。技術的分散性とローンチ経緯の透明性が評価され、規制リスクは小さいと見なされています。

投資判断のヒント

取引数・アクティブアドレス数(オンチェーン指標)
これらを定期的にウォッチすることで、単なる一時的ブームか、長期成長トレンドかの見極めに役立ちます。技術進化とネットワーク活性の両面が、今後の価値に直結します。

アップデートやGitHubでの開発コミット数、他プロジェクトとの提携

4:市場動向とミームコイン競合 ― セクター内での立ち位置と外部環境

ドージ

ドージコインの価値は、単体で完結せず暗号資産市場全体の資金の流れやトレンドに大きく左右されます。ビットコインの価格が高騰する強気相場ではアルトコインにも資金が回りやすく、逆に市場が冷え込めばドージコインのような投機色の強いコインが真っ先に売られやすい傾向があります。

2023~2024年にかけてはPepe、Bonk、Flokiといった新興ミームトークンの登場でミームコイン市場全体が急拡大。CoinGeckoの集計によれば、2024年のミームコイン全体の時価総額は200億ドルから1000億ドル超に急騰し、DeFiセクターの時価総額をも一時的に上回りました。

出典:コインゲッコー

同ブームのなかでドージコインは相対的なシェア低下に直面していますが、「老舗」として依然高い流動性と時価総額を維持しています。

関連記事:ミームコインは”オワコン”となるのか?

競合ミームコインの台頭と差別化

柴犬コインは独自チェーン「Shibarium」の開発やDeFi/NFTエコシステム拡大に積極的で、技術的な差別化を図っています。Bonk(BONK)のようなSolanaベースの新興勢力も急成長しており、「より新しい・個性あるミームコイン」に資金が流れやすくなっています。

一方、ドージコインはUTXO型PoWというシンプルな構造を堅持し、「通貨」としての機能に特化。2021年以降は手数料引き下げなど実需志向の改良や、イーロン・マスク氏・ヴィタリック・ブテリン氏など著名人の発言で話題性を保っています。
ただしスマートコントラクト未対応など競合に比べ「技術トレンドのキャッチアップ」が課題であり、今後はコミュニティの結束やブランディング力が問われます。

マクロ経済・相場サイクルとドージコイン

ドージコインの相場はビットコインの半減期(4年サイクル)や世界経済の金融環境と連動しやすい傾向があります。2024年春の半減期ではビットコインが最高値を更新し、ドージコインもアルトコインラリーに乗って急騰しました。Santimentの分析では「BTC高値が維持されれば資金はアルトにも循環しやすい」と指摘されています。

一方で、米FRBの利上げ・世界経済減速局面など「マクロ環境の逆風」には要注意。景気悪化が進むとリスク資産としてのドージコインには売り圧力が強まることも。投資判断には相場全体のサイクル・景気動向も必須です。

規制・法整備と日本市場

ドージコインはICO資金調達を行っておらず証券的リスクが低いため、米SECやCFTCなど米当局も「商品(コモディティ)」扱いとしています。欧州ではMiCA規制による情報開示義務は増えたものの、ドージコインの法的位置づけ自体は比較的クリア。多くの国で特段の禁止や規制強化の動きは見られませんが、「投機性の高さへの警告」は当局から繰り返されています。

日本では2025年以降、コインチェックやSBI VCトレードなど主要取引所で上場が拡大。日本円での直接売買も可能になり、投資環境は大きく改善されました。税制上は雑所得扱いで最大55%の税率が適用されますが、金融庁やJVCEAによる厳格な上場審査と投資家保護体制が整っています。日本独自の安全性と透明性が強みであり、ハッキング対策や詐欺リスク管理も国際的に高い水準です。

関連記事:イーロンマスクはなぜ仮想通貨の価格を動かす?その理由と影響力を解説

ドージコイン(DOGE)価格予測:2035年までの展望

BeInCryptoのデータによると2035年までのドージコインの価格予測水準を以下のように分析することができます。

DOGEの最高価格DOGEの最低価格
2025年$0.445$0.056
2026年$0.454$0.138
2027年$0.578$0.236
2028年$0.979$0.402
2029年$1.658$0.686
2030年$2.81$1.17
2031年$4.762$1.998
2032年$8.069$3.411
2033年$13.672$5.821
2034年$23.168$9.935
2035年$39.259$16.957

関連記事:ドージコイン(DOGE)価格予測 2025年〜2035年

まとめ:ミームから金融資産へ、進化するドージコインの現在地

ドージコインは、かつてはネットミーム発の「ジョークコイン」として親しまれてきましたが、2025年現在はその立ち位置が大きく変わりつつあります。現物ETFの申請・上場や大手企業での決済採用が進む中、金融商品としての信頼性や実需が拡大し、機関投資家からも注目されています。また、シンプルなPoW型ブロックチェーンと積極的な技術開発を背景に、ネットワークの健全性も維持。新興ミームコインの台頭で市場シェアの変動は続きますが、ドージコインは高い流動性とコミュニティの結束力を強みに、依然として独自の存在感を放っています。今後もグローバルな規制環境やマクロ経済動向を注視しつつ、ファンダメンタルズの変化を押さえることが賢明な投資判断につながるでしょう。

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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