暗号通貨取引とは、利益を得ることを目的として、暗号通貨取引所またはブローカープラットフォーム上でデジタル資産を購入・売却する行為を指します。取引方法は、所有している暗号通貨を直接売買する方法と、先物取引、オプション取引、差金決済取引(CFD)などの金融派生商品を利用する方法があります。
金融デリバディブは、証拠金取引と呼ばれる方法で、実際に暗号通貨を所有することなく、価格変動にのみ着目して取引を行うことができます。
つまり、将来の価格上昇を予想して「買い」(ロング)ポジション、または価格下落を予想して「売り」(ショート)ポジションを取ることで、価格のどちら方向に動いても利益を得られる可能性があります。ただし、利益を得られる可能性がある一方で、損失を被るリスクも存在することを理解しておくことが重要です。
本記事では、初心者にとって比較的分かりやすい、所有する暗号通貨を売買する方法に焦点を当てて解説します。しかし、金融デリバディブが必ずしも初心者にとって不適切であるとは限りません。
暗号資産取引とは?
暗号資産取引は、利益を得るために、暗号資産取引所や仲介プラットフォームでデジタル資産を売買することです。
暗号資産取引では、所有する暗号資産を売買したり、先物、オプション、また差金決済取引(CFD)ができます。後者は、基本的に証拠金取引となります。暗号資産トレーダーは、これらの金融派生商品に対して、暗号資産を持たなくても、値動きをみて投資できます。
暗号資産の価値が上がると思えばロング(買い)が、逆に価値が下がると思えばショート(売り)ができます。つまり、予想が正確であれば、どちらの方向に価格が動いても、利益が得られる仕組みです。
この記事では、デリバティブではなく、ユーザーが所有する暗号資産を取引する方法について説明します。
暗号資産取引のはじめ方:手順7つで解説
暗号通貨取引は一見複雑そうですが、実は以下のような手順を踏むことで意外と簡単に始めることができます。
取引所の選定
まず、自分に合った取引手法が見つけてから、取引できる取引所を探しましょう。暗号資産取引所を選ぶ際には、使いやすさ、オンランプとオフランプのオプション、手数料、評判、財務健全性、担当チームなどの要素をチェックしてください。評判のよい暗号資産取引所では、独自のチュートリアルを提供しており、ユーザーは取引練習用のデモアカウントが使えます。
口座開設をする
選んだ取引所でアカウント登録後、本人確認を行いましょう。身分証明書提示、自撮り、住所証明書提出などが求められる場合があります。本人確認完了には数分から数日かかるため、プラットフォームによって差があります。
アカウントに入金
本人確認ができたら、フィアット(法定通貨)をアカウントに入金するか、銀行口座(オプションの場合)に接続して、取引する暗号資産を購入します。また、すでに暗号資産を保有している場合は、取引所に直接暗号資産を送金してもいいでしょう。
価格が安定している暗号資産を望むなら、USDTやUSDC等のステーブルコインがお勧めです。その場合は、BTC/USDTの通貨ペアで、USDTを使ってBTCを購入してください。取引所で利用可能な通貨ペアを確認し、希望の暗号資産が含まれている通貨ペアを選びましょう。
初心者向けの取引戦略を学ぶ
初心者は、トレーディングを始める前に、取引手法についてできるだけ多く知っておく必要があります。投資および取引手法は、リサーチするうえで一番重要なポイントです。また、取引リスクの減らし方も探っていきましょう。
自分がどのようなタイプのトレーダーを目指すのかによって、投資方法は異なります。例えば、パッシブ手法には、バイ・アンド・ホールドやドルコスト平均法(DCA)などがあります。バイ・アンド・ホールドとは、簡単に言うと、暗号資産を購入して一定期間保有し、将来の売却利益を期待するものです。逆に、DCAは、価格に関係なく、一定期間にわたって同量の暗号資産を、または決まったドル額で定期的に購入する方法です。
また、アービトラージとスキャルピングは、初心者がアクティブな取引で使える手法です。スキャルピングは、暗号通貨を購入後、日中に価格変動を監視し、購入価格よりも上昇した時点で売却する短期売買戦略です。一方、アービトラージ取引は、取引所間のわずかな価格差を利用します。例えば、ビットコインを価格が低い取引所で購入し、別の取引所で高く売却することで利益を得られます。
さらに、自動取引と手動取引のメリットとデメリットを比較検討し、自分に合った取引方法を選択する必要があります。自動取引は、ボットを利用して売買を自動化し、利益を得られる可能性があります。一方、手動取引は、自分で判断して売買を行います。
自分に合った取引戦略と取引方法を見つけるために、さまざまな方法を試してみることをおすすめします。
取引する通貨の選択
選んだコインと取引戦略を用いて、実際に取引を始めましょう。手動で取引するか、初心者向けの取引ボットを利用することができます。最初は少額から始めて、取引の流れに慣れてから徐々に投資額を増やすのがおすすめです。
また、候補となるコインのプロジェクトや開発チームについても調査しましょう。BTCやETHのような大手で時価総額の高いコイン、あるいはリスクの高い中小型のアルトコインを選ぶことができます。これは、あなたのリスク許容度によって異なります。中小型のアルトコインは、価格変動が大きいため、大手で時価総額の高いコインよりもリスクは高いですが、高いリターンを得られる可能性があります。
取引開始
自分に合った取引手法を使って、選んだ暗号資産の取引を始めましょう。手動取引でも、初心者に優しい取引ボットのどちらも使えます。まず少額から始めて、状況を観察して感覚を掴むことをお勧めします。また、取引所のデモ口座を使って取引の予行練習をしてみてもよいでしょう。
暗号資産のウォレット保管
取引で利益が出たら、取引所ウォレットから非保管用ウォレットに移すことを検討してください。これは、取引で得た利益を失うリスクを避けるためです。中・長期的に暗号資産を保管したいトレーダーには向いています。
非保管型ウォレットは、資金の完全な管理ができるため、取引所ウォレット(アカウント)よりも高いセキュリティが保てます。ただ頻繁に取引を行う場合は、暗号資産をそのまま取引所ウォレットに留めておいた方がよいでしょう。
暗号資産の購入方法
暗号資産の取引手法については、クラーケンを例に以下に説明します。クラーケンは、スポット取引の手数料が安く、デビットカード、アップルまたはGoogle Pay、銀行振込など、多くの決済手段に対応しています。クラーケンはあらゆる種類の暗号資産取引に適したプラットフォームですが、一部の国や米国の特定州には対応していません。
購入方法の選択
- クラーケンでアカウントを作成する
- アカウントを確認する
- ページの左上から順に: 「新規注文(new order)」、「注文(orders)」、「ポジション(positions)」、「取引(trades)」の各タブが並んでいる
- 「新規注文」タブは、「シンプル(simple)」「アドバンスト(advanced)」、そしてカスタム注文に必要なすべてのオプションが表示されている
- 「取引」タブをクリックし、「新規注文」を選択する。注文は 「シンプル 」または 「アドバンスト 」を選択できるが、今回は「アドバンスト」を選択する
- アセットをクリックし、取引ペアを選択する。取引ページの左側で買いたいコインを探し、「買い (buy)」を選択する
- 下にスクロールして、注文を行う。成行注文または指値注文を選ぶ。指値注文は、指定された価格で暗号通貨を購入するものです。トレーダーは、最大希望価格まで設定できるため、指値注文に関しては、柔軟な価格設定ができます。
- 一方、成行注文は、注文時に入手できる価格で暗号通貨を購入するものです。成行注文は即座に約定しますが、指値注文は多くの場合、すぐには約定しません。
- 注文タイプをクリックし、金額を入力する
- 「注文タイプ (order type)」ボックス(条件付きクローズ)をチェックし、「ストップロス限度額 (stop loss limit)」を設定する。このオプションは、トレーダーの損失を抑えるためのものです。逆に利益を最大化するには、「テイクプロフィット(take profit) 」ボックスにチェックを入れます。
- 注文に問題がなければ、「買い」をクリックする。取引所のウォレットに暗号通貨が表示される
暗号資産の売却方法
暗合通貨を買ったら、買った時よりも高く売らないと利益は出ません。スキャルピング手法を使って、売りの機会を監視し、売り時を判断してください。
ここでは、再びクラーケンを例に、暗号通貨を売る方法について説明します:
- クラーケンのアカウントにログインする
- 「取引」に行き、「新規注文」欄で「アドバンスト」を選択する
- 「売り(sell)」をクリックし、暗号通貨を選択する
- 取引ペアを選ぶ
- 下にスクロールして、指値注文または成行注文を行う
- 注文の詳細を入力する
- 「テイクプロフィット」または「ストップロス」にチェックを入れる
- 「売り」ボタンをクリックする
暗号資産取引のリスクを軽減する方法
デモ取引を使ってみる
実際の取引の前に、デモ取引の使用をお勧めします。初心者にとってはゼロリスクで、現物資金を使わずに取引の練習ができます。デモ取引では、実際のリアルタイム市場で指値注文と成行注文のやり方が確認できます。また、ストップトリガー価格を設定してその結果を見ることもできます。「デモ取引」ページでは、OKX(暗号通貨アプリ)上でのスポット取引の練習もできます。
スポット取引をマスターしたら、CFD取引を試してみましょう。eToroは、CFD取引を練習するのに最適な場所です。その方法を以下に紹介します。
- eToroにアクセスする
- 「今すぐ参加 (join now)」をクリック。練習用アカウントでは、10万ドルの無料仮想通貨(疑似通貨)が使える
- 本人確認情報を入力する
- 「投資を始める (start investing)」をクリック
- メールに転送されたアカウント・アクティベーション・コード(account activation code)を入力
- プラットフォームの左下にある 「仮想通貨に切り替え(switch to virtual )」をクリック
- 「ディスカバー(discover)」ページに移動する
- 「暗号通貨(crypto)」タブを開く
- アセットを選ぶ
- 「投資 (invest)」をクリック
- 右側のドロップダウンメニューから、「注文 (order)」を選択する
- 売買注文とストップロスの練習をする
- 結果を比較し、何が最も効果的かを確認する
暗号資産市場を理解する
取引を始める前に、パフォーマンスデータ、プロジェクト、ニュースなどを分析して、暗号通貨市場を理解しましょう。市場の動向を把握することで、有望なコインを見つけることができます。また、現在の価格を知ることで、データに基づいた注文を出すことができます。
1つの取引に全財産を投じないように
デモ取引で自信がついたら、少額の資金で実際の取引を始めてみましょう。特に、初心者にとってスキルが未熟な段階では、全ての資金を一つの取引に投入するのはリスクが高すぎます。損失が出た場合は、デモ取引に戻り、原因を分析して改善しましょう。
トリガー価格を設定する
ストップトリガー価格は、損失を最小限に抑えたり、利益を最大化するために有効なツールです。注文を出すたびに設定することで、ポジションを確実に守ることができます。また、毎時間取引を監視する必要がなくなり、時間と労力を節約できます。
暗号資産取引は、調査が不可欠
暗号通貨取引は、一見複雑そうに見えますが、上記の手順を踏めば、比較的簡単に始められます。しかし、成功するためには、モチベーション、コミットメント、そして暗号通貨市場、取引、戦略に関する深い理解が必要です。
スポット取引は最も基本的なアクティブ取引ですが、簡単ではありません。デモ取引でスキルを磨き、自信を身につけることができます。しかし、スポット取引が難しいと感じても心配する必要はありません。パッシブな暗号通貨取引は、より簡単で要求も少ない方法だからです。
よくある質問
初心者にオススメの暗号資産は?
暗号通貨の取引を学ぶのに最適な方法とは?
暗号資産取引は難しい?
初心者の場合、どれくらいの資金を投資すればいい?
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報をもとに読者が取る行動は、あくまでも読者自身のリスクで行うものとします。「Learn」サイトでは、質の高い情報を提供することを第一に考えています。私たちは、読者にとって有益な教育的コンテンツを特定し、調査し、作成するために時間をかけています。この基準を維持し、素晴らしいコンテンツを作成し続けるために、私たちのパートナーは、私たちの記事への掲載に対して手数料を支払う場合があります。しかし、これらのコミッションは、偏りのない、誠実で有益なコンテンツを作成するためであり、私たちの活動プロセスに影響を与えることはありません。