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PoSとPoWの違いやメリット・デメリットを解説

15 mins

暗号通貨におけるブロックチェーン技術は、世界中で急速に進化し続けており、その中でも重要な役割を担っているのは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とPoS(プルーフ・オブ・ステーク)という2つのコンセンサスアルゴリズムです。PoSとPoWは、それぞれアプローチが異なっており、特徴も違います。

そこで本記事では、PoSとPoWの基本的な違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。本記事を読めば、PoWとPoSの違いやその特徴について理解できるはずです。暗号通貨に興味がある方や、ブロックチェーン技術の理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは?

ethereum pow

PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは、ブロックチェーンネットワークの合意形成アルゴリズムの一種です。PoWでは、ネットワークに参加するマイナーが、膨大な計算能力を使って、ブロックチェーンに新しいブロックを追加する作業を行う仕組みです。新しいブロックを追加した報酬として、暗号通貨を獲得できます。

マイナーは競争しながらブロックを生成するため、不正な操作や攻撃を防ぐことができ、またトランザクションが確実に承認されるため、信頼性の高いブロックチェーンが実現されるのが特徴です。

PoWのメリット

  • セキュリティの強化:PoWは高度な計算作業を要求するため、ネットワークを攻撃するためには相当な計算能力が必要。これにより、攻撃者がブロックチェーンを乗っ取ることが難しくなる
  • 分散化の促進:PoWでは、複数のマイナーが競い合ってブロックを生成するため、ネットワークの分散化が図られます。
  • 透明性:すべてのブロックチェーン上の取引が記録され、誰でも確認することができるため、透明性が高くなるメリットがあります。

PoWのデメリット

  • 電力を大量消費する:PoWでは、マイナーによる膨大な計算能力が必要となります。大量の電力を消費するため、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 取引処理速度が遅い:マイナーによってブロックが生成されるまでに時間がかかる場合があるため、PoWを採用するブロックチェーンネットワークでは、取引処理速度が遅くなる可能性があります。
  • 51%攻撃の恐れ:悪意のある者がネットワークの過半数の計算能力を獲得すれば、ブロックチェーンを改ざんすることができます。しかし、過半数を獲得することは、現状は難しいと判断されています。

PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは?

PoS(プルーフ・オブ・ステーク)は、ネットワークに参加するノードが保有する暗号通貨の数量に基づいてブロック生成の権利を獲得する仕組みです。ノードが、保有するトークンの数に応じてブロック生成の権利を獲得することができます。

PoSのメリット

  • エネルギー効率が高い:PoSは計算力の競争を必要とせず、エネルギー効率が高いとされています。エネルギー消費が少ないため、環境に優しく持続可能なブロックチェーンネットワークを実現できます。
  • 中央集権化のリスクが低い:ステークの量に応じてブロック生成割り当てられるため、ネットワーク参加者の分散化が促進されます。
  • セキュリティの強化:PoSでは攻撃者が多くの通貨をステークする必要がありリスクもあることから、セキュリティが強化されるメリットがあります。

PoSのデメリット

富の集中化のリスク:PoSでは、ステークの量に基づいて参加者が選ばれるため、通貨を多く保有する個人や組織が大きな影響力を持つ可能性があり、結果、ネットワーク運営において不公平性が生じる懸念があります。

ステーキングのロック期間:ブロック生成の権利を得るためには、トークンをステークする必要がありますが、長期間ロックしておく必要があるため、流動性が低下するリスクがあります。

ブロックチェーンのアップグレードの困難さ:PoSの場合、プロトコルのアップグレードを行う際には、ステークした参加者の合意が必要です。全体の合意形成を得ることは困難であり、意思決定の遅延やブロックチェーンのアップグレードの困難さがリスクになっています。

PoSとPoWの仕組みの違い

PosとPoWの仕組みの違いを、それぞれ項目ごとに解説していきます。

  • 採掘に必要なコスト
  • 中央集権化のリスク
  • スケーラビリティ

PoSとPoWの違い①:採掘に必要なコスト

PoWでは、採掘には膨大な計算能力と電力が必要になり、マイナーのブロック生成の結果に基づいて報酬を受け取ります。そのため、採掘にはハイスペックなハードウェアの投資や電力コストが伴い、環境問題が懸念されていました。

一方、PoSでは採掘には計算能力は必要なく、ネットワークに通貨をステークし、保有量に応じて報酬を受け取ります。そのため、PoSは環境に優しいとされており、イーサリアムもPoWからPoSに移行し、消費電力の削減に成功しました。

PoSとPoWの違い②:中央集権化のリスク

PoWでは、マイニングプールが大量の計算能力を保有し、ネットワークの運営に影響を与える可能性があります。これに対して、PoSでは参加者のステーク量に基づいてブロック生成されるため、中央集権化のリスクが低減されます。

PoSとPoWの違い③:スケーラビリティ

PoWのブロック生成には高い計算能力が必要ですが、計算能力には限りがあるため、処理能力やスケーラビリティに制限される可能性があります。

一方、PoSでは、処理能力はノードのステーク量に依存しません。ステークした通貨を預けることで報酬を得ることができるため、多くの参加者がネットワークの運営に参加し、スケーラビリティの向上を図ることができます。

PoSとPoWを採用している主要通貨

PoSとPoWを採用している主要通貨について解説します。

PoWを採用している通貨

  • ビットコイン(BTC)

ビットコインは、2009年に生まれた最初の暗号通貨。PoWコンセンサスアルゴリズムを採用しており、世界中で最も広く利用されている暗号通貨となっており、分散型で中央集権的な管理者がいない点が特徴。

  • ライトコイン (LTC)

ライトコインは、高速な取引処理を目指す暗号通貨で、PoWを採用している。ビットコインの派生通貨であり、ブロック生成時間が短く、スクリプトベースのPoWアルゴリズムを使用している。

  • モナコイン (MONA)

モナコインは、日本発の暗号通貨で、インターネット上のネタやキャラクターに由来する通貨。PoWのシステムを採用しており、マイニングによって新たなMONAが発行されます。ビットコインと同じハッシュ関数を使用していますが、ブロック生成時間は約1.5分と短く、送金速度が早いのが特徴。

PoSを採用している通貨

  • イーサリアム(ETH)

イーサリアムは、2015年にリリースされたブロックチェーンプラットフォーム。PoSを採用しており、スマートコントラクトや分散型アプリケーションの開発をサポートしている。また、DeFiやNFTなどの分散型アプリケーションの開発に利用されており、暗号通貨業界で大きな影響力を持っている。

  • カルダノ(ADA)

カルダノはPoSのコンセプトを活用した「ウロボロス」と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを採用している暗号通貨。ウロボロスは安全性とスケーラビリティを向上させ、ADAの所有者がステーキングによってネットワークをサポートする仕組み。

  • ソラーナ(SOL)

ソラーナは、高速で低コストなトランザクションを提供する暗号通貨で、分散型アプリケーションやDeFi(分散型金融)の開発を促進するプラットフォーム。PoSとPoH(Proof of History)という2つのシステムを組み合わせており、高いセキュリティとパフォーマンスを両立している。

PoSとPoWのよくある質問

Q1:なぜPoWよりPoSが環境に優しいのですか?

Q2:PoSとPoWのどちらが優れているといえますか?

Q3:PoSの将来性はどうなるのでしょうか?

まとめ:PoSとPoW、新たなコンセンサスアルゴリズムにも期待

本記事では、PoSとPoWについて解説しました。PoWでは計算能力を利用し、PoSでは所有する暗号通貨の量に基づいてブロックの生成権を得る仕組みです。

PoWのメリットとしては、高いセキュリティ性があり、攻撃者の乗っ取りを困難にする一方、デメリットとしては高い電力消費量があります。一方、PoSは電力消費が少なくエコな運用が可能でありますが、ブロック生成の集中化といったデメリットも存在します。

PoSとPoWだけでなく、新たなコンセンサスアルゴリズムの開発も期待されています。今後のブロックチェーンの進化によって、ポジティブな影響が業界全体にもたらされることに期待をしましょう。

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Ikkan Kawade
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
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