ストラテジーのマイケル・セイラー会長は、年12%の配当が付く同社優先株について、ビットコインを担保とするだけでは株価を目標の100ドルに維持できなかったと明らかにした。信用市場の投資家は、投資再開の条件として十分な現金準備を求めたという。
セイラー氏は投資家向けイベント「ParaFiインベスターデー」でこうした見解を示した。一方、同氏はデジタルクレジットを「世界最強の信用資産」と評価し、その将来性に強い自信を示した。
なぜビットコイン担保だけではクレジット投資家は納得しなかったのか
ストレッチ(STRC)はストラテジーの永久優先株で、年12%の配当と100ドルの株価を目標とする。
しかしSTRCは初夏にパー(額面)を割り、後に約75ドルまで下落した。ストラテジーは、ドル建て配当準備金の設置と自社株買いプログラムで対応した。
セイラー氏によれば、同社は約15億ドル相当のSTRCを買い戻し、株価をパー水準まであと数セントに押し戻した。
この一件でセイラー氏の担保観は変化したという。「クレジット投資家は、30年分のビットコインより3年分の現金を好む」と同氏は述べた。
マイケル・セイラー氏のビットコイン教訓がデジタルクレジットに意味するもの
現在、セイラー氏はデジタルクレジットを「資本と現金の合金」と捉えている。
「ビットコイン98%、現金2%で作れば、体勢が崩れやすい。ビットコイン70%、現金30%なら、ステンレス鋼をイメージしてみてほしい」
マイケル・セイラー氏 YouTube
この結果、ストラテジーは現在、約3年半分の配当相当額を現金で保有しているとセイラー氏は説明する。また同社は、株主承認を前提にSTRC配当の「毎日支払い」実施も目指している。
セイラー氏はまた、STRCのスプレッドが最終的にリスクフリーレートに対し400〜500ベーシスポイントの水準に縮小するとの見通しを示した。現在よりも約200〜300ベーシスポイント縮まるとのことだ。
一方、現金重視の方針にはコストが伴う。ここ数週間、ストラテジーは新たなビットコイン購入より自社株買いへの支出を増やしている。
金推奨派であるピーター・シフ氏などの批判者は、同社がビットコイン買い増し能力を失ったと主張する。セイラー氏はそれに異論を唱える。クレジット投資家が通常3年の実績を重視するところ、デジタルクレジットはまだ2年目である点を指摘した。
結局のところ、マイケル・セイラー氏のビットコイン・クレジットモデルは、現在は配当投資家を引きつけるためにドル資産を重視する。そのうえで同氏は、デジタルクレジットの普及にはベアマーケット下でも生き残れる実績が必要だと述べた。











