ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は10日、同社のバランスシートの91%が差し押さえの対象とならない資産で構成されていると説明し、ビットコインを中核とする財務戦略の優位性を強調した。顧客がいつでも引き出せる預金を基盤とするJPモルガン・チェースに対し、ストラテジーは自社の資本構成の方が安全性に優れるとしている。
同様の主張は、同社が投資家向けに公開した資料でも示された。ストラテジーの短期資金ギャップはゼロである一方、JPモルガンはマイナス1兆2000億ドルになるとの試算を提示した。ただし、この比較ではストラテジー側が独自の定義を用いており、両社の事業モデルや資産構成が大きく異なる点には注意が必要である。
「MSTRは伝統金融を逆転させる」と ストラテジー社は投稿した。
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マイクロストラテジーがJPモルガンにはできないと主張すること
銀行は短期で借り入れ、長期で貸し出すため、預金は一日で消える可能性がある。一方で、貸し付け回収には年単位を要することもある。このため、保険・規制当局・中央銀行による信用供与がギャップを埋める役割を果たしている。
シリコンバレーバンクの預金者は2023年3月のある一日だけで420億ドルの引き出しを要求した。預金の4分の1に相当。翌朝には当局が同行を閉鎖した。
対照的に、マイクロストラテジーには預金者は存在しない。同社は主に永続型優先株発行による資金調達で、ビットコイン(BTC)84万5050BTCを保有。優先株は固定配当制で、償還期限はない。9月8日提出の届け出からも、12カ月以内に返済期限を迎える債務は確認できない。
比較で抜け落ちる論点
まず、「48%」の根拠から見る。JPモルガンの6月期資料によると、資産総額5兆200億ドルに対し預金額は2兆7100億ドル。つまり54%に相当。より小さい比率は、ストラテジー側が独自に抽出した数値である。
同様の傾向は先週も見られた。ストラテジーのバークシャーとの準備資本比較で、決算内容を上回る数値主張が先行していた。
次に資産側。マイクロストラテジーの平均購入単価は1ビットコイン当たり7万5415ドル。本稿執筆時点でビットコインは7万8498ドル近辺で推移。保有総額668億ドルのうち、取得コスト比で約5%しか上昇していない状況。
各種コストも発生し続ける。第2四半期の優先株配当だけで4億70万ドルを支出。配当および67億1000万ドルの債務返済原資として、現金51億ドルを確保している。
こうしたコスト負担は、2023年夏の10週間ビットコインを追加購入しなかった動向にも表れた。ドル建てで32億8000万ドルを調達、一部もコインには使わなかった。
とはいえ、ビットコインが下落すればストラテジーを救う術はない。2023年の銀行取付では預金保険とFRB融資が機能したが、ビットコインは2021年高値から2022年安値までに77%下落。ストラテジーはすでに何が先に破綻するかを試算済みである。
いずれの設計も破綻しうる。1つは取り付け騒ぎ、もう1つは価格急落と配当負担で死を迎える。









