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NFTブームは終焉したのか|PFPプロジェクトの淘汰とユースケース多様化

6 mins

ヘッドライン

  • NFT市場は低迷期にあり、1年前と比較すると取引高・ユニークウォレット数ともに極端に減少している
  • 投機目的のNFT投資は終わりつつあり、実用性の乏しいPFPプロジェクトは減少している
  • 一方で、NFTチケットやNFTゲームなど、NFTのユースケースは多様化しつつある
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NFT市場は現在、過去数年で最も取引高が落ち込んでおり、参入するトレーダーもほとんどいない。「投機目的でNFTに参入して儲ける時代は終わった」というコンセンサスが形成されつつある今、NFTについて再考する必要があると思われる。

NFTブームは終焉か|取引高・ユニークウォレットともに大幅減

オンチェーン分析ツールDuneによると過去7日間、イーサリアムのネットワーク上でNFTを売買したユニークウォレットはわずか190だった。7月10〜17日週のNFT市場全体の取引高は614万ドルと、前年比96%減。NFTトレーダーの減少による市場の空洞化と流動性の極端な低下を反映しており、売却のタイミングに苦慮するNFT投資家も多い。

イーサリアム・ネットワークのNFT市場におけるユニークウォレット数(Dune.com

とりわけ、実用性のないPFP(プロフィール画像)系のNFTプロジェクトは、衰退の一途を辿っている。2022年1月にパリス・ヒルトン氏が米NBCの深夜トーク番組ザ・トゥナイト・ショーに出演し、ヒルトン氏が所有するBAYC(Bored Ape Yacht Club)が話題となったが、この頃がピークだった。

投機目的のPFPプロジェクトはもはや時代遅れの感がある一方で、NFTの技術を活用したユースケースは増加している。例えばチケット販売大手のTicketmasterが2023年3月に販売したNFTチケットは数百万ドル規模の資金調達に成功している。ゲームやデジタルID分野でNFTの技術を応用するケースは、今後さらに増加するだろう。

長期的に落ち込んでいるように見えるのはNFTだけではない。米暗号資産投資大手Galaxy Digitalの最新レポートによると、投資マネーの流れはWeb3から人工知能(AI)へとシフトしている。ベンチャー・キャピタルによる暗号資産プロジェクトへの投資金額は、5四半期連続で減少している。

NFTブーム再来の条件|ユースケースの多様化が鍵

BICではWeb3ゲーム企業Curio Researchのゲーム・デザイナー、モデオ・チェン氏にインタビューを実施し、「NFTはゲーム分野でニッチを見つけることができる」という回答を得た。他にもチェン氏は、以下のコメントを残している。

現在、NFTの大半は投機目的に使われており、その多くは近いうちに廃れるだろう。しかし、当社では、オンチェーンのやり取りを促す実用的なDApps(分散型アプリケーション)が、NFTの存在価値を高めると予測している。

モデオ・チェン氏(BeInCryptoインタビュー)

Web3マーケティング企業BDE Venturesのブライアン・D・エバンスCEO兼創設者は「PFPプロジェクトは減少こそすれ、過去の産物として廃れることはないだろう」と明言、以下のように語った。

ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)など有力銘柄が続伸する一方で、NFT市場は逆の方向に進んでいる。(中略)今後、投資家たちが暗号通貨バブルから得た利益は、堅実なPFPプロジェクトに流れてくるだろう。

ブライアン・D・エバンス氏(BeInCryptoインタビュー)

翻訳:BeInCrypto Japan
原文:The NFT Bubble Has Burst: Time for a Rethink?

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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