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野村HD傘下のレーザー・デジタル、ビットコイン利回りファンド開始

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執筆&編集:
Shigeki Mori

23日 1月 2026年 16:04 JST

野村ホールディングス傘下のレーザー・デジタルは22日、機関投資家向けビットコイン利回りファンド「BDYF」を立ち上げた。ビットコインの価格上昇に加え、裁定取引やオプション取引など市場中立戦略を組み合わせ、年率5%以上の超過リターン獲得を目指す。2023年に開始した「Bitcoin Adoption Fund」の発展形で、野村系カストディのコマイヌが資産保管を担当し、機関投資家水準の安全性を確保する。

市場中立戦略で年率5%超の超過収益を追求

野村ホールディングスのデジタル資産子会社レーザー・デジタルが、機関投資家向けビットコイン利回りファンド「Bitcoin Diversified Yield Fund SP(BDYF)」のローンチを発表した。このファンドは、ビットコインの価格上昇によるリターンを基軸としつつ、裁定取引、レンディング、オプション取引といった市場中立的な手法を組み合わせる点に特徴がある。

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価格動向に左右されにくい収益源を活用することで、さまざまな市場環境において、ビットコインのパフォーマンスに対して年率5%以上の超過リターン獲得を目標としている。レーザー・デジタルによれば、同様の運用手法は既存ファンドですでに実践されており、市況が厳しかった2025年に6.60%の純利益(未監査)を記録したという。

同ファンドは、2023年に開始された「Bitcoin Adoption Fund」の発展形と位置付けられる。ビットコイン市場の流動性やインフラ整備が進む中、単純な長期保有を超え、資本効率の向上を求める機関投資家の需要を背景に設計された。最低投資額は25万ドルまたはビットコイン相当額で、米国以外の適格管轄区域の認定投資家のみを対象としている。

トークン化とカストディで機関投資家の安全性を確保

技術面では、Web3インフラ「KAIO」を採用し、ファンド持分そのものをブロックチェーン上で直接発行する「ネイティブ・トークン化」を採用した点が特徴だ。従来のトークン化ファンドでは、特別目的事業体(SPV)などの中間構造を介するケースが一般的だったが、本ファンドではそうした仕組みを使わず、投資家はファンド持分をオンチェーンで直接保有できる。

これにより、決済の迅速化や持分構造の可視性向上が図られている。KAIOが独占的なトークン化プロバイダーを務め、資産の保管については野村グループ傘下のデジタル資産カストディ企業コマイヌが担当する。利回り獲得を目的としながらも、資産の安全性を重視した機関投資家水準の管理体制が採られている。

運用主体は、ドバイの暗号資産規制当局VARAの認可を受けた「Laser Digital Middle East FZE」が務める。

レーザー・デジタル・アセット・マネジメントの責任者セバスチャン・ググリエッタ氏は「ビットコインは資本の保存手段であり、金と同様にエネルギーに裏付けられた分散型のハードマネーだ。だが、法定通貨やステーブルコインとは異なり、利回りは提供しない。当社のファンド戦略は、ビットコインの長期保有者に持続可能な利回りを提供することを目指す」と述べている。

日本国内での法人向け取引事業も計画

野村ホールディングスは、暗号資産事業でのプレゼンス拡大を加速している。ブルームバーグが2025年10月に報じたところによると、レーザー・デジタルは日本国内で法人向け暗号資産取引事業に参入する計画を進めているという。

野村HD傘下という信用力と、コマイヌによる厳格なカストディ体制は、FTX崩壊以降、安全性に慎重な機関投資家にとって大きな安心材料となる。伝統的金融のリスク管理が暗号資産領域に持ち込まれることで、ビットコインが単なる投機対象から、ポートフォリオの中核資産として定着する重要な契機になる可能性がある。デジタル資産市場における機関投資家の参入は、今後さらに拡大する見通しだ。

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