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野村グループ、国内初のVCファンドSTO発行完了

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執筆&編集:
Shigeki Mori

02日 12月 2025年 17:33 JST
Trusted-確かな情報源
  • 野村グループが国内初となるVCファンド受益権のセキュリティトークンを約80億円発行
  • 日本のSTO市場は2025年10月末時点で累計2,800億円超に達し、不動産から多様化
  • 特定投資家向け銘柄制度活用により個人投資家を含む新たな投資機会を創出
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野村ホールディングス、野村アセットマネジメント、野村信託銀行、BOOSTRYの4社は2日、特定投資家向け銘柄制度を活用したベンチャーキャピタルファンドのセキュリティトークンの発行手続きを完了した。

発行額は約80億円で、VCファンドを投資対象とするセキュリティトークンの発行は国内初となる。投資対象は国内VCファンド「B Dash Fund 5」で、受益権の記録・移転はBOOSTRYが開発を主導するコンソーシアム型プラットフォーム「ibet for Fin」上のブロックチェーンで行う。

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VCファンド証券化で市場拡大へ

日本国内のSTO(セキュリティ・トークン・オファーリング)市場は2025年10月末時点で発行累計額が2,800億円を超えた。これまで不動産や社債が中心だったが、今回VCファンド受益権への適用が実現した。従来の投資事業有限責任組合を用いたスキームは契約・管理が複雑で、特定投資家の参入障壁となっていた。セキュリティトークン化により持分の電子的な名義管理や権利移転の自動化が可能となり、事務手続きが大幅に軽減される。

国内の成長企業への資金供給を支えるVC投資は、イノベーション創出に重要な役割を果たしている。ブロックチェーン技術を活用した私募セキュリティトークンの発行により、持分の管理・流通の効率化と透明性の向上が期待される。同スキームは関係法令や金融商品取引上の規制および内部統制を遵守し、安全性と信頼性の高い運用を確保する。

特定投資家向け制度の活用加速

今回のファンドは特定投資家向け銘柄制度の活用により、一定の金融リテラシーや資産規模を有する個人投資家を含む特定投資家に新たな投資機会を提供する。証券会社を通じて非上場企業株式や投資信託等を特定投資家向けに発行・流通させる同制度は、プライベートアセット投資の裾野拡大を促進する。

STO市場では発行だけでなく、投資家が自由に売買できる流通市場の整備が重要な課題となっている。セキュリティトークンの流動性を発揮するには、セカンダリマーケットの充実が不可欠だ。野村グループは「パブリックに加え、プライベート領域の拡大・強化」の戦略のもと、商品・サービスにおけるプライベート領域への投資機会を拡大してきた。今回の取り組みはその一環であり、今後もプライベートアセットへの幅広い投資機会を提供していく方針である。

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