暗号資産取引所「OKJ」を運営するオーケーコイン・ジャパン株式会社と、確定申告アプリ「スマホ会計FinFin」を提供する会計バンクは6日、業務連携を開始した。近年、会社員や個人事業主を含む幅広い層が資産運用の選択肢として暗号資産取引に参入しているが、取引に伴う税務申告の仕組みが複雑であることから、多くの投資家が確定申告に不安を感じている実態がある。
両社の連携は、こうした課題に対応することを主眼としており、3月31日まで新規口座開設や有料プランの申込を対象としたビットコイン付与キャンペーンも同時に展開される。
暗号資産投資家が直面する確定申告の課題
暗号資産取引における税務処理は、株式投資とは大きく異なる点が多い。まず、ビットコインをイーサリアムなど別の暗号資産に交換した場合でも、日本円への換金がなくても「売却」と見なされ、含み益が生じていれば課税対象となる。この点を認識せずに取引を繰り返し、想定外の税負担を被るケースが散見される。
また、会社員が暗号資産取引で得た年間「雑所得」が20万円を超えると確定申告が必要となるが、この基準を把握していない投資家も少なくない。暗号資産による利益は原則として雑所得に区分されるものの、他の副収入との合算方法や申告様式の選択など、手続き全体の流れが分かりにくい点が、申告を躊躇させる一因となっている。
OKJとFinFinの連携内容と確定申告キャンペーン
今回の連携により、OKJのユーザーに対してスマホ会計FinFinの利用が案内される。FinFinは銀行APIとAI-OCR技術を活用した仕訳の自動化機能を備え、対話型のユーザーインターフェースを採用しているため、確定申告の経験が少ない投資家でも完結しやすい設計となっている。
連携に合わせて「OKJコラボ確定申告キャンペーン」も実施される。キャンペーン期間は3月6日から3月31日午後4時まで。期間中にFinFinを経由してOKJで新規口座開設を完了したユーザーには2,000円相当のビットコインが付与される。
暗号資産の税務環境整備に向けた両社の狙い
OKJは現在、ビットコインをはじめとする50銘柄(2026年3月時点)の暗号資産を取り扱い、取引所形式・販売所形式の双方で売買できる環境を提供している。積立購入や収益サービスも展開しており、長期的な資産形成を志向するユーザー層を取り込んでいる。
一方、会計バンクは70年の歴史を持つ会計事務所を母体とするソリマチテックグループ傘下のフィンテック企業であり、中小企業やフリーランスを主な対象として金融連携サービスを展開してきた。暗号資産取引の裾野が広がるにつれ、こうした個人投資家層の税務ニーズに対応できる事業者との連携が急務となっていた。
今回の提携は、確定申告のデジタル化と暗号資産の普及という2つの潮流が交差する点に位置する。税務当局が暗号資産の申告状況への監視を強める中、適切な申告手続きを支援するインフラの整備は、市場全体の健全な発展にとっても意義がある取り組みといえる。