著名なビットコイン批判者で経済学者のピーター・シフ氏は10日、ジョー・バイデン米大統領に対し、米国政府が現在保有しているすべてのビットコインを売却するよう促した。
暗号資産の長年の批判者であるシフ氏は、これらの資産を売却することで2024年の予算赤字を削減できるとツイートした。同氏はまた、米国の「戦略的ビットコイン備蓄」の設立に関する憶測を排除できるとも述べた。
ピーター・シフ氏、戦略的ビットコイン備蓄計画の廃止を望む
ビットコインを公敵ナンバーワンと呼んだ翌日、金の支持者であるピーター・シフ氏は、再び先駆的な暗号資産に対して批判を行った。
「バイデンが退任前にできる唯一の良いことは、米国政府が現在保有しているすべてのビットコインを売却することだ。これにより、2024年の予算赤字が削減されるだけでなく、有害な『戦略的』ビットコイン備蓄を作るというナンセンスを終わらせることができる」とシフ氏は述べた。
シフ氏の発言は暗号資産支持者から即座に反発を受けた。X（旧Twitter）で人気のあるユーザー、BitBuyer313が反論した。
「それなら、より高い価格で買わなければならないだけだ。トランプはすでに秘密を漏らした。今、我々の競争相手は自分たちの戦略的ビットコイン備蓄の計画を立てている。ゲーム理論はすでにこれに勝利しているんだよ、ピーター。金の市場価値はビットコインに対抗できない」とユーザーは挑発した。
シフ氏は応じて、ドナルド・トランプ次期大統領がビットコインを購入することを約束したことはないと主張した。代わりに、政府が現在保有しているものを保持することだけを約束した。シフ氏はまた、バイデンが今これらの備蓄を売却することで、トランプが再び大統領に就任した場合にその約束を果たす必要がなくなると述べた。
振り返ると、トランプ氏はキャンペーン中に、政府が押収したBTCを使用して「戦略的国家ビットコイン備蓄」を作る計画を発表した。
「私の政権の方針は、米国政府が現在保有または将来取得するすべてのビットコインを100%保持することだ。これが戦略的国家ビットコイン備蓄の中核となる」とトランプ氏は述べた。
シフ氏はトランプの発表を批判し、それを戦術的な誤りと呼んだ。同氏は、トランプがその意図を就任するまで秘密にしておくべきだったと主張し、現政権が先に行動するのを防ぐためだと述べた。
他の場所では、米国政府のビットコイン保有は興味の対象となっている。最近のブロックチェーン分析では、ビットコインが10万ドルを超えた後、マウントゴックスに関連する24億3千万ドルを含む、数十億のビットコインの動きが明らかになった。
推測を加速させる中、金融弁護士のスコット・ジョンソンは最近、米国連邦保安局（USMS）が、シルクロードに関与するような注目のケースで押収されたビットコインをすでに売却している可能性があると示唆した。USMSとコインベースの間の6月のサービス契約は、そのような売却に関する理論を強化している。
世界の戦略的BTC備蓄動向
シフ氏がビットコイン備蓄のアイデアに反対し続ける一方で、他の国々はそれを採用することを検討している。BeInCryptoが報じたように、ロシアはすでにドル離れの一環として戦略的ビットコイン備蓄の創設を検討している。
バンクーバー市長は、金融不安定から都市を守るために市のビットコイン備蓄を提案した。同様に、ポーランドの政治指導者スワヴォミル・メンツェン氏は、選出された場合に国家ビットコイン備蓄を設立することを約束した。
これらの動きは、ビットコインが世界の金融において果たす役割の認識が高まっていることを反映している。支持者は、ビットコイン備蓄が金融の独立性と、特に米ドルに依存する経済にとって関連性のあるインフレーションに対する保護を提供できると主張している。
米国政府のビットコイン保有に関する議論は、より大きなイデオロギーの分裂の縮図である。シフ氏が伝統的な財政政策と金を支持する一方で、ビットコインの支持者はそれをデジタル時代の重要な資産と見なしている。
トランプの就任が近づくにつれ、米国政府が保有するビットコインの運命は、国家戦略における暗号資産の役割に関するより広範な議論を反映し、争点となる可能性が高い。
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