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Pump.fun発「PumpMarket」始動―クリエイタートークンの生存を予測する市場が誕生

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執筆&編集:
Shigeki Mori

27日 2月 2026年 14:45 JST
  • Pump.funの公式ハッカソン発プロジェクト「PumpMarket」が2月26日にメインネット稼働し、48時間で63市場・取引高66 SOLを記録した。
  • PumpMarketはミームコインの「卒業」可否に特化した予測市場で、トークンを保有せずSOLを賭けられる双方向構造が特徴だ。
  • この動きはクリエイターが暗号資産でファンから直接資本調達するクリエイター資本市場(CCM)の台頭と連動しており、詐欺リスクとの共存が課題となっている。
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Solanaベースのトークン発行プラットフォーム・Pump.funの公式ハッカソン「Build in Public Hackathon」に参加するPumpMarketが26日、メインネット稼働を正式発表した。ローンチから48時間で63市場が決済され、取引高66 SOL、150件超の予測が成立した。多くの参加プロジェクトがアイデア段階にとどまる中、唯一の本番稼働プロダクトとして注目を集めている。その登場は、クリエイターが自身のブランドや将来収益を暗号資産を通じてマネタイズする「クリエイター資本市場(CCM)」という新たなエコシステムの形成と、軌を一にしている。

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Pump.fun「Build in Public Hackathon」の全容

PumpMarketが参加するのは、Pump.funが2026年1月に設立した「Pump Fund」を通じて運営される総額300万ドル規模のハッカソンだ。採択された12プロジェクトそれぞれに25万ドルが配布される仕組みで、従来型の審査委員会による選考ではなく、トークンの市場パフォーマンスと公開開発の進捗が評価基準となっている。すでに認証・管理ツールの「zauth」(2月14日採択)と「Opal」の2プロジェクトが採択を受けており、追加採択が続く。Solana共同創業者のアナトリー・ヤコベンコ(通称Toly)もdevnet段階でPumpMarketに言及するなど、エコシステム内での早期認知も得ている。

「卒業」予測に特化―PumpMarketの市場設計

PumpMarketは、Pump.funで新規発行されたトークンが一定時間内に「卒業(Graduate)」——すなわちPumpSwapへの流動性移行を達成するかどうか——に絞り込んだ予測市場だ。ユーザーはトークンを保有することなく、SOLを賭けてYES/NOの二択に参加できる。共同創業者は「Pump.funのトレーダーは思われているより正確に市場を読んでいる。PumpMarketはトークンに触れずにその確信をベットできる手段を提供する」と語っている。

技術面ではパリミュチュエル方式(賭け金をプールして正解者へ比例配分)を採用し、BitqueryやHeliusのリアルタイムオンチェーンデータで結果をオンチェーン自動決済する設計だ。Pump.funではトークンの買いポジションしか取れないのに対し、PumpMarketは「卒業しない」という弱気ポジションも表明できる双方向市場を実現している点も新しい。

トークンの「価値」を集合知が問う―クリエイター資本市場(CCM)への接続

PumpMarketの登場が持つ意味は、単なる投機ツールの出現にとどまらない。Pump.funそのものがCCMの核となるプラットフォームとして位置づけられつつある文脈で読む必要がある。業界ではここ数ヶ月、クリエイターが暗号資産トークンや収益分配型ユニットを通じてファンから直接資本を調達するCCMという概念が台頭しつつある。プラットフォームの広告収入やブランド案件への依存から脱却しようとするクリエイターたちが、自身のブランドや将来収益をトークン化し、世界中のファンを投資家として巻き込もうとする試みだ。

YouTubeの収益分配トークン(CRT)を扱うGigaStarが2023年以降700万ドル超を調達し2万人以上の投資家に還元しているのも、その一端である。

PumpMarketの登場は、このCCMエコシステムにさらなる上位レイヤーをもたらす。すなわち「どのトークンが生き残るか」という予測自体を市場化することで、クリエイタートークンの価値が発行者の思惑や一部の投機によってではなく、市場の集合知によって形成される構造が生まれつつある。

詐欺リスクとの共存―CCM成熟への課題

ただし、こうしたエコシステムが抱える影の側面も無視できない。クリエイターのブランドを無断利用したミームコインの発行や、資金を集めてプロジェクトを突然放棄する「ラグプル」と呼ばれる出口詐欺は依然として横行している。GigaStar最高事業責任者のスコット・キトゥン氏が指摘するように、「クリエイターは暗号資産側のパートナーを信頼することになる」という構造的な脆弱性は、透明性の高い仕組みが一部に導入されても、市場全体では解消されていない。

YouTubeアニメシリーズ「Yo Mama」(登録者530万人)のクリエイター、ザック・ジェームズ氏が自身のブランドを冠したミームコインに参加した直後にコインが急落した事例は、この問題の現実的な深刻さを示している。

CCMがギャンブル的な投機から真の投資市場へ成熟できるかどうか——PumpMarketのような透明性の高いインフラ層が積み重なることで、その問いへの答えが少しずつ見え始めている。しかし、匿名・無規制のプレイヤーが依然として市場に混在する現状では、構造的な課題の解消にはなお時間を要する。

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