リップル(Ripple)は、企業向け財務管理ソリューションを提供するGTreasuryを約10億ドルで買収した。これは2025年に入って同社が実施した3件目の大型買収であり、いずれも伝統的金融(TradFi)関連のインフラ強化を目的としている。
リップルはGTreasuryの機能を統合することで、ブロックチェーン技術を数兆ドル規模の企業財務セクターへ導入し、より効率的な資金管理を実現する計画だ。
Sponsoredリップル、GTreasuryを買収
リップルはここ数か月、銀行化を目指す動きを加速させている。同社は米国で銀行免許を申請し、さらに主要TradFi銀行との提携も進めている。
今回のGTreasury買収は、リップルの金融戦略をさらに前進させる動きだ。GTreasuryは企業向けの財務管理(トレジャリー)プラットフォームを展開しており、世界中の大企業の資金運用や決済効率化を支援している。
リップルの公式発表によると、今回の買収によりリップルは企業財務のデジタル化を推進し、ブロックチェーンベースの決済ネットワークを伝統金融の中心領域へ拡大できるようになるという。
この数兆ドル規模のセクターは、世界の大企業が依存するTradFiの基盤ともいえる領域であり、リップルはその中核にブロックチェーン技術を持ち込もうとしている。
長年にわたり、資金は旧来の遅い決済システムに閉じ込められてきた。ブロックチェーン技術はこの問題を解決する理想的な手段であり、リップルとGTreasuryの能力を組み合わせることで、企業の財務チームは閉ざされた資本を活用し、即時決済を実現し、新たな成長機会を開くことができる。
—— ブラッド・ガーリングハウス(Ripple CEO)
GTreasuryの買収は、リップルが進める一連の金融業界再編の一環だ。同社は数か月前にHidden Roadを買収し、ブローカー・ディーラーライセンスを取得。また、8月にはステーブルコイン決済プロセッサーを買収している。
これらの買収を通じて、リップルは金融業界の中核インフラを構築しつつある。TradFiと分散型金融(DeFi)の架け橋としての役割を強化することで、ブロックチェーンの商業利用を加速させる狙いだ。