暗号資産市場では「リスク回避」シグナルが3つ点滅している。市場全体の時価総額は約2兆1300億ドルで推移。取引高、センチメント、取引所の流動性すべてで投資家の後退が示唆されている。
ビットコインは6月に約15%下落し、現在は6万2600ドル近辺で取引されている。この下落によって市場の取引が減少し、センチメントも悪化。明確な材料が出るのを待つ投資家が多く、市場は防御的な姿勢となっている。
主要資産にも広がる防御的姿勢
売りは特定資産にとどまらず、幅広い銘柄に広がっている。暗号資産の時価総額は6月に13.6%減少。主要な暗号資産で2桁の下落が相次いだ。
イーサリアム(ETH)は、過去30日で28%安となり1652ドル近辺。一方、ソラナ(SOL)は同期間に33%下落し、より大きな調整となった。
これらの下落を受け、暗号資産全体の時価総額は約2兆1300億ドルとなった。この下落によって投資家のポジショニングにも変化が見られる。
3つのシグナルが投資家の後退を示唆
最初のリスク回避シグナルは取引活動に表れている。Santimentによると、主要な非ステーブルコイン資産の取引高は2年ぶりの最低水準となった。
「トレーダーはマクロ不確実性や地政学的リスク、最近の清算を受け、積極的な売買を控える姿勢が目立つ」と投稿されている。
2つ目のシグナルはセンチメントだ。Crypto Fear & Greed Indexは本日12となり、前日は9まで低下。いずれも極度の恐怖領域に位置し、高いリスク回避姿勢を示している。
3つ目は取引所の流動性データだ。あるアナリストによれば、バイナンスはテザー(USDT)を約412億ドル保有しているが、ERC-20ベース残高は過去30日で2.3%減少している。
「ERC-20の残高は、過去30日間のレンジで23.5パーセンタイルという水準。実際に積極的な買い圧力が生じる水準を大きく下回る」と分析されている。
現在の準備金残高は、2025年12月のピーク(439億ドル)比で12.4%低い水準。両チェーン合計の30日間ネットフローは約マイナス12億7000万ドルで、市場調整局面で流出した資金は戻っていない。
「取引所全体で同様の傾向が見られる。OKX、Bybit、Bitfinexはいずれも30日ベースで軽度の資金流出。KuCoinとBitgetはTRC-20で積み増しているが、準備金合計が約4億6500万ドルと市場全体で見ればインパクトに限りがある」と、同アナリストは記している。
恐怖の中に見える強気要素
ただ、一部アナリストはこうした状況を「警告」ではなく「仕込み時」とみる声も出ている。Santimentは、「取引高の落ち込みは新たな大幅下落の始まりではなく、いわば下げ疲れのシグナルと見なせる」と指摘する。
「過去にも、関心と取引高、参加者が最低水準となった時期から相場の大幅な回復が始まったケースが多い。皆が価格上昇を積極的に追いかける時、市場はめったに強気転換しない。むしろ、多くの投資家が興味を失い、静観している時こそ反転が起きやすい」と同社は述べている。
Santimentは、投資家の自信が戻れば小規模な資金流入でも反発局面となり得ると指摘。他のアナリストも、この極度の恐怖を逆張り指標とみる声がある。深い恐怖感が回復局面の前兆となり、一方で過熱感が天井のサインになるとの見方を示している。
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