戻る

SBI HD、100億円のST社債発行へ=XRP付与特典で伝統的金融と暗号資産の融合加速

Googleで私たちを選んでください
sameAuthor avatar

執筆&編集:
Shigeki Mori

23日 2月 2026年 08:59 JST
  • SBIホールディングスが100億円規模のセキュリティ・トークン社債を発行し、購入者に暗号資産XRPを付与する特典を導入、伝統金融と暗号資産の融合を加速
  • ブロックチェーン「ibet for Fin」で証券管理を刷新し、大阪デジタルエクスチェンジの私設取引システム「START」での取り扱いにより流動性向上を実現
  • 資産トークン化市場の拡大を背景に、規制された金融商品と暗号資産の橋渡しが進み、新たな金融インフラ構築への道筋が示される
プロモーション

SBI証券は3月11日、SBIホールディングスが発行する100億円規模のセキュリティ・トークン社債「SBI START債」の取り扱いを開始する。同社債は購入者に対し暗号資産XRPを付与する特典を設け、ブロックチェーン技術を活用した証券のデジタル化と暗号資産インセンティブを組み合わせた先駆的な取り組み。伝統的な金融商品と暗号資産の統合が本格化する兆しとして、業界内外から注目を集めている。

ブロックチェーン基盤で証券管理を全面刷新

ST社債は、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRYが開発したブロックチェーン「ibet for Fin」を採用する。発行から期中管理、償還までの全プロセスを電子化し、証券業務の効率化を図る。発行総額は100億円、最低購入単位は1万円で、利率は年1.85%から2.45%の範囲で3月10日に決定される予定である。償還期限は2029年3月23日の3年債となる。

注目すべきは、本ST社債が3月25日から大阪デジタルエクスチェンジ運営の私設取引システム「START」で取り扱われる点である。同システムにおけるST社債の取り扱いは今回が初となり、投資家は市場価格をリアルタイムで確認できるようになる。従来の相対取引が主流だった社債市場において、価格透明性の向上が期待される。格付け機関R&Iからは「A-」の格付けを取得予定で、機関投資家や個人投資家双方にとってアクセスしやすい商品設計となっている。

スポンサード
スポンサード

XRP付与で暗号資産保有層の拡大狙う

本ST社債の最大の特徴は、購入者に対する暗号資産XRPの付与特典である。募集期間中に取得した国内居住者の個人および法人に対し、取得額に応じた数量のXRPが付与される。ただし、受け取りには暗号資産交換業者SBI VCトレードでの口座開設と、SBIホールディングスが定める受取手続きを5月11日正午までに完了する必要がある。

さらに、2027年3月、2028年3月、2029年3月の各利払い時にも、保有者に対して追加特典が付与される予定である。具体的な内容は各利払い日が近づいた時点で公表されるが、継続保有インセンティブとしての役割が期待される。この仕組みは、伝統的な債券投資家層に対して暗号資産への入口を提供し、デジタル資産エコシステムへの参加を促す設計といえる。

ST市場の拡大と流動性向上への期待

SBI証券は2021年4月に国内初となる一般投資家向けセキュリティ・トークン・オファリングを実施して以来、不動産STを中心に商品展開を進めてきた。2025年12月にはプライベートエクイティファンドSTの販売を開始するなど、新たなアセットクラスへの適用を拡大している。今回の社債STは、これまでの実績を踏まえた次のステップと位置づけられる。

大阪デジタルエクスチェンジの「START」での取り扱い開始により、ST市場の流動性向上が見込まれる。従来、社債の流動性の低さは投資家にとって大きな課題であったが、PTS市場での取引が可能になることで、売買機会の増加と価格形成の透明性向上が期待できる。ブロックチェーン技術による24時間365日の決済可能性と組み合わせることで、将来的には国際的な投資家の参入も視野に入る。

伝統金融のトークン化が業界に与える影響

今回の取り組みは、伝統的な金融商品のトークン化が実用段階に入ったことを示す象徴的な事例である。暗号資産XRPを付与特典として組み込むことで、規制された金融商品と暗号資産の橋渡しを実現している。これは、両市場の参加者が相互に流入する契機となり得る。

国際的には、資産のトークン化市場が急成長している。ボストン・コンサルティング・グループの予測では、トークン化された資産の市場規模は2030年までに16兆ドルに達する可能性があるとされる。日本においても、金融庁がデジタル証券の制度整備を進めており、大手金融機関によるST発行が相次ぐ可能性がある。SBIグループの今回の動きは、こうした潮流を加速させる要因となろう。

また、XRPの活用は、リップル社が推進する国際送金インフラとの連携可能性も示唆する。SBIホールディングスはリップル社との戦略的パートナーシップを有しており、将来的にはクロスボーダー決済やトークン化された証券の国際流通といった応用展開も視野に入る。伝統金融のデジタル化と暗号資産エコシステムの融合が、新たな金融インフラ構築の礎となる可能性を秘めている。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード