シンガポール金融管理局(MAS)のターマン・シャンムガラトナム前長官は2日、70.4%の得票率でシンガポールの次期大統領に選出された。シンガポールの大統領職は他国の国家元首と比較して権限を持たず「儀礼的存在」と呼ばれることもあるものの、同国における暗号資産(仮想通貨)規制の動向に、多くの投資家が注目している。
シャンムガラトナム氏は、2011年から23年までシンガポール金融管理局長官を務めていた。在任期間中の22年5月、シンガポールを拠点としていた暗号資産企業テラフォームラボ(Terraform Labs)が破綻。同社は、暗号通貨テラ(LUNA)およびステーブルコインTerra USD(UST)を運営していた。22年7月には、同じくシンガポールを拠点とする暗号資産ヘッジファンド3AC(Three Arrows Capital)も破綻。両社の経営破綻が市場に与えた影響は大きく、「暗号資産の冬」とも呼ばれる本格的な下落相場を招いていた。
シンガポール次期大統領、暗号資産に否定的な意見
シャンムガラトナム氏の暗号資産に対するスタンスは当初、放任主義だった。同氏は2018年、世界経済フォーラム(WEF)に出席した際、「暗号資産とそれに関連する取引活動はシンガポールの金融システムにいかなる脅威も与えておらず、それを禁止する必要はない」との見解を示していた。
しかし2023年1月に行われた同会議では、暗号資産に対する懐疑的なスタンスを示した。暗号資産について「本質的に純粋に投機的であり、実際には少しクレイジーだ」と指摘し、規制当局は暗号資産に関連するリスクについて「極めて明確にしておくべき」と意見していた。
シンガポール金融管理局は22年以降、暗号資産の規制強化に舵を切っている。7月には暗号資産サービスプロバイダーに対し、新たな投資家保護措置を義務付けることを発表した。顧客資産の適切な管理やカストディ部門の独立、リスク開示などが義務化される。同時に、顧客に対する暗号通貨レンディングおよびステーキングのサービス提供を制限することも検討していると明かしていた。
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