テザーの米国債保有額が1350億ドルに急増し、同社は韓国を抜き、世界で米国債保有者の第17位となった。
同時に、Tether Goldの時価総額が20億ドルを超え、トークン化された現実資産での優位を固めた。
Sponsoredテザーの米国債保有額、一部の主権国家超え
米国債1350億ドルで、テザーは韓国を上回り、ブラジルに次ぐ順位となった。パオロ・アルドイーノCEOはX(ツイッター)への投稿で前進を強調した。
これは2025年Q1以降の急速な伸びである。テザーは米国債を650億ドル購入し、3月31日時点の直接保有は985億ドルに増えた。
2025年Q2までに、米国債エクスポージャー総額は1270億ドルを超えた。内訳は直接保有1055億ドル、間接エクスポージャー213億ドルである。
この積み増しは、拡大する米国のステーブルコイン環境への戦略対応と一致する。GENIUS法は2025年7月に成立し、包括的なデジタル資産ルールを導入した。準備資産の大半を米国債などの低リスク資産で保有することを求める。
同法は銀行やフォーチュン500企業での採用を加速させた。ステーブルコインの時価総額見通しは、2025年の2700億ドルから2028年に2兆ドルへと押し上げられた。
Sponsored Sponsoredテザーの保有は、ドイツやサウジアラビアなど主要経済と肩を並べる。中国の米国債エクスポージャーは1兆ドル超から7560億ドルへ低下した。ステーブルコイン発行体は米国債の重要な買い手となりつつある。この傾向はドル覇権の維持に資し、金利にも影響し得る。
サークルとともに、ステーブルコイン企業は複数の国を上回る米国債を保有している。USDCの発行体は450億〜550億ドルを保有する。
テザー・ゴールドが20億ドル突破、現実資産の勢い後押し
一方、Tether Gold(XAU₮)は直近で時価総額20億ドルを突破した。金価格の過去最高値とトークン化された現実資産への需要が追い風となった。
2025年10月下旬時点で、XAU₮の時価総額は約21億ドルに到達。ロンドン・グッド・デリバリー規格に準拠し、スイスで保管する金375572.297トロイオンスに裏付けられる。2025年Q3末の14億4000万ドルからの大幅な伸びである。
Sponsored SponsoredXAU₮は1トークンにつき純金1トロイオンスに1対1で連動する。準備資産はオンチェーンで透明に検証される。2025年9月30日、金は1オンス当たり3858.96ドルまで上昇した。インフレと地政学リスクへの懸念が、トークン化金の需要を押し上げた。テザーは、成長はブロックチェーンを用いたヘッジへの関心増加を反映すると指摘した。
Tether Goldの勢いは、トークン化現実資産の採用拡大と歩調を合わせる。運用会社や各国政府は、安全な発行とカストディにブロックチェーンを活用する動きを強める。2025年Q2時点で、テザーは金を7.66トン超保有し、トークン流通と準備を下支えした。
アルドイーノCEOは、XAU₮をデジタル資産の所有権と規制遵守の概念実証と評した。同トークンは制度的な安全性と分散型アクセスを提供し、拡大するデジタル経済の重要な構成要素となる。
Sponsoredデジタル金融と市場への影響
米国債とトークン化金の拡大により、テザーは伝統的金融とブロックチェーンの橋渡しとしての地位を確立した。ステーブルコイン分野は急成長を続ける。
さらに、取引量は現在、ビザに匹敵する。また、機関の約50%が、決済と取引にステーブルコインを使う。
支持者は、ステーブルコインの米国債需要の拡大が、世界的に米ドルを強めると述べる。金利の低下にもつながり得るとする。
一方、批判者は、市場流動性へのリスクと銀行との競争を指摘する。金融業界団体はこれを懸念する。
テザーは巨額保有で、米国債市場に影響力を持つ。歴史的にそこは主権国家のみの領域であった。ステーブルコインの時価総額は、2028年までに2兆ドルに達する見込みだ。負債、流動性、金融安定への影響は拡大しそうだ。