トランプ米大統領は12日、中国に課す一部関税措置の停止期間を90日延長する大統領令に署名した。ロイターほか複数メディアが同日、報じた。今回の延長により、中国製品への米国の関税率は基本税率10%とフェンタニル関連20%を合わせた30%に据え置かれた。延長されていなければ、中国製品に課す関税率は145%、中国が米国製品に課す関税率は125%に引き上げられていた。
米中双方が今秋に予定する首脳会談に向け、対話継続の余地が確保された格好だ。マイニング機器輸入への関税引き上げも先送りとなり、関連企業への打撃は当面回避される見通し。
米通商代表部(USTR)によると、今回の措置の期限は米東部時間12日午前0時1分(日本時間13日午後1時1分)だった。延長がなければ、米国が中国製品に課す関税率は145%、中国が米国製品に課す関税率は125%に引き上げられる予定だった。延長期間中は米国の中国向け関税は基本税率10%に、フェンタニル関連製品への20%を加えた計30%にとどまる。
アジア・ソサエティー政策研究所のウェンディ・カトラー副所長(元USTR高官)は「建設的な展開だ。双方は過去数週間のやり取りを踏まえ、今秋の首脳会談の基盤となる合意形成の可能性を探っている」と語った。
ビットコインマイニング機器への高関税も回避
既報の通り、トランプ氏は7月31日、複数国との間で相互関税の新税率を導入する大統領令に署名している。この中で、インドネシア、マレーシア、タイからのマイニング機器(ASIC)輸入には19%の相互課税が課され、既存関税と合わせた税率は21.6%となった。
中国からの輸入については、8月12日まで基本関税10%に中国固有のプレミアム20%が加算され、合計関税率は57.6%に設定されていた。今回の延長により、この水準の適用は少なくとも3カ月間先送りされる。
関税引き上げは調達コストの上昇を通じてマイニング事業の収益性を圧迫する可能性が高く、市場関係者は今回の延長を「一息つける猶予期間」と受け止めている。
ビットコイン価格は小幅な動き
関税停止の報道にもかかわらず、市場の反応は現在のところ限定的のようだ。ビットコイン価格は本稿執筆時点で11万8820ドル。11日に一時12万ドル台を回復したものの、その後はやや軟化し、足元では小幅な値動きにとどまっている。
アナリストの間では、今回の延長が短期的な買い材料となる可能性はあるものの、米中通商関係の長期的な不透明感は払拭されていないとの見方が多い。特に、90日後に関税引き上げが再び俎上に載れば、マイニング業界や暗号資産市場全体に波及する可能性も指摘されている。
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