トランプ米大統領は、連邦預金保険公社(FDIC)のトラビス・ヒル暫定会長を銀行規制当局の正式なトップに指名した。
ヒル氏は暫定リーダーとして暗号資産に対して全般的に友好的な姿勢を示し、業界をデバンク(取引停止)しようとする政策に反対してきた経歴を持つ。
Sponsoredヒル氏の指名、規制緩和の可能性を示唆
トランプ大統領は、米国の金融システムの安定維持と銀行預金の保護を担う独立機関であるFDICの正式会長にヒル氏を指名した。
米上院で承認されれば、ヒル氏は銀行規制の緩和を進めると広く見込まれている。これにより、米国の銀行が暗号資産関連サービスにより深く関与できる余地が広がる可能性がある。
方針転換:銀行と暗号資産への監視を緩和
ヒル氏は2025年1月、トランプ大統領の就任直後にFDIC暫定会長に任命された。それ以前は2023年から副会長を務め、さらにトランプ政権下では当時のFDIC会長ジェレナ・マクウィリアムズの上級顧問も歴任した。
ヒル氏の下で、FDICは規制監督の緩和に向けた措置を進めてきた。
今年3月には、大手銀行の合併に対して厳格な監視を課していたバイデン政権時代の方針を撤回。また、銀行が事前承認なしで暗号資産関連事業に参入できると発表した。
Sponsoredこの変更は、米銀行政策における重要な転換点を示した。ウォール街の大手金融機関がデジタル資産分野に関与する上での大きな障害が取り除かれたことになる。
規制の過剰介入に対するヒル氏の反発
ヒル氏はまた、銀行がリスクのあると見なしたセクター、特に暗号資産企業との関係を断つことを意味する「デバンキング」に反対する姿勢を公言してきた。
連邦当局が銀行に対し暗号資産関連企業との関係解消を迫ったという非難についても、同氏は公然と反対の立場を取っている。
暫定会長としての同氏は、FDICの従来の監督アプローチを批判し、ブロックチェーン関連の取り組みを模索する銀行と協力しようとしないという認識を助長したと指摘した。
—— トラビス・ヒル
さらにヒル氏は、FDICの監督官が銀行評価に用いる要素から「評判リスク」を除外するための政策転換を開始した。
これは、デジタル資産に関与する正規ビジネスへの銀行サービス提供を妨げる口実として以前使われていた監督圧力の根拠を排除する狙いがある。