10月はXRPの価格に厳しかった。トークンは今月12%超下落。2024年10月と同様の失速である。11月入りで、昨年に280%以上上昇した再現が可能か市場は注視。わずかな上昇でも投資家は満足の公算
オンチェーンデータは現状を複雑に示す。大半の保有者は売り、少数のクジラは買い増し。価格は上下どちらにも抜け得る狭いレンジで推移
長期・短期の保有者がなお利益確定売り
長期ウォレットに出入りするXRPの差を追うHodler Net Position Changeは、長期保有者の利確が加速していることを示す。
Sponsored10月19日の純流出はマイナス328万XRP。10月30日にはマイナス9014万XRPまで拡大。
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純流出は2週間で2647%増。長期投資家は売りを減らすどころか加速させたことを示す。
XRPの供給を保有期間別に分類するHodl Wavesのチャートでも、短期保有者に同様の傾向が見える。比較的新規の1〜3か月コホートの供給比率は、10月初の12.98%から現在は7.85%まで急落。39.5%の大幅減である。ボラティリティ上昇で短期の退出が進んだサイン。
興味深いことに、11月は歴史的にXRPの最強月で、平均+88%、中央値+25%である。
ただし、その強さは同じコホートの買い集めに依存してきた。現在の売り圧は、今年の再現可能性を抑える。クジラがギャップを埋めない限り。
クジラが11月に向け静かに買い増し
小口投資家がエクスポージャーを縮小する一方で、大口アドレスは静かに買い増している。
1億〜10億XRPを保有するクジラは、過去2週間で保有量を大きく増やした。合計保有は10月16日の69.7億XRPから10月31日の82.4億XRPへ増加。増加分は12.7億XRP。現在の価格2.48ドル換算で約31億5000万ドル。
これは100万〜1000万XRPを保有する中堅クジラと対照的で、彼らは10月の大半で売り越しだった。しかし、流れが変わりつつある。10月28日から30日にかけて、保有は62.8億XRPから63.1億XRPへ増加。約3000万XRP、約7400万ドルを積み増した。
中堅クジラの買い戻しは、初期の安定化を示すことが多い。持続的な上昇の重要な前触れ。
Sponsoredステルスエックスのマリア・カロラCEOは、この変化が市場の成熟を示すとみる。併せて、買い集めのクラスターが形成され得る重要水準も示した。
「現在のXRPの市場構造は、抑制の利いた買い集めと規律あるエクスポージャーを特徴とする成熟過程を反映している。2.60〜2.63ドルのレンジに強い支持帯が形成された。短期の方向性を左右する重要な分岐帯である」と同氏は述べた。
11月に、これらの意欲的なクジラがコホート固有の売り圧を相殺できるかも見ものだ。
供給ゾーンとXRPの価格水準、次の動静の要因
多くのトークンの直近買い価格帯を示す取得原価分布ヒートマップは、XRPの上昇を阻む供給の厚いゾーンを2つ示す。
1つ目は2.52〜2.54ドル付近にある。およそ12億3000万XRPがそこで蓄積された。これがXRPが2.59ドル超を繰り返し維持できない理由である。
2つ目でより強固な壁は2.80〜2.82ドルにある。およそ18億8000万XRPがそこで買われた。その重要ゾーンが、XRPが持続的な上昇トレンドに入れるかを左右する。
同時に、2日足チャートは対称三角持ち合いでの揉み合いを示す。買い方と売り方の綱引きである。下辺トレンドラインは接点が2つのみで相対的に弱い。売りが再開すれば短期下落の公算が高まる。
マリア・カローラ氏は見解を述べ、前述の2.59ドル水準の重要性に一層の重みを加える:
「XRPが2.60ドル超を維持する限り、抵抗の少ない方向は上方向のままだ。2.67〜2.70ドルを上抜ければ、資金回転の再加速に支えられ、マクロの追い風が出れば3ドルを再試す可能性もある」と同氏は述べた。
ヒートマップが裏付ける2.81ドル超のブレイクは、強気シナリオを一段と強める。それにより3.10ドル、さらには3.66ドルまでの上昇もあり得る。一方、2.28ドル割れなら2.08ドル近辺までの下落があり得る。
ただし、売り圧と下辺トレンドラインの弱さは、地合い悪化で下押しを招きやすい。そうなれば、反発前にXRPの調整は延長する。