XRP価格はプレス・タイムで2.88ドル前後で推移し、直近24時間で約2%上昇した。直近4週間は荒い値動きが続き、累計で12.5%以上の調整となったが、3カ月トレンドでは約26%の上昇を維持している。
足元のオンチェーンデータは、こうした弱含みの数週間が終盤に差し掛かっている可能性を示唆する。大口の買いが先行した一方、その他の保有者による売りが続き、明確なブレイクアウトに上ぶれのフタをしている。
クジラが6億3000万ドルの買いで参入
Sponsored最もはっきりした強気の動きはクジラによるものだ。XRPが2.85ドル超で取引された9月3日、2つの大口グループが保有を積み増し始めた。1つ目は少なくとも10億XRPを保有する層、2つ目は1000万〜1億XRPを保有する層である。
9月3日以降、これらのグループは残高をそれぞれ238.6億→239.3億、76.1億→77.6億へと増やした。現在の価格で換算すると、約6.3億ドルの純増に相当する。
この買い越しは、XRPが2.85ドル近辺――買いの大半が入った水準――を上抜ける後押しとなった。
同水準は上値を抑える抵抗帯として機能してきた経緯があり、クジラ需要が再浮上したことが反発の主因とみられる。クジラがこのゾーンでコインを積み増す行動は、価格を押し上げる強いトリガーになりやすい。
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利益確定はまだ明確なブレイクアウトを阻む
クジラが買い進む一方で、多くの保有者は利益確定売りに動いた。これを裏付けるポイントは次の2点である。
– 利益状態の供給比率:9月1日時点で、利益が出ていたXRPホルダーは約85.6%。9月7日には約93.4%まで上昇した。保有者の大半が含み益となれば、利食い圧力がかかりやすい。
– HODLウェーブ:保有期間(短期・中期・長期)で層別化するが、バンドが縮むのはその層の売却を示す。3〜6カ月保有は約9.05%→6.12%へ、1週間〜1カ月保有は約7.68%→2.61%へ低下。短中期の保有者が戻りで売ったことがうかがえる。
つまり、クジラの積み増しが価格を持ち上げる一方で、小口〜中口の利食いが上昇モメンタムを鈍らせた格好だ。これが、上げ足がまだ力強さを欠く背景にある。
XRP価格レベルと弱気パターンブレイクアウト
Sponsored SponsoredXRP価格は現在2.88ドル近辺で推移し、2.85ドルをサポートとして上回っている。次のレジスタンスは2.94ドル、3.10ドル。3.35ドルを明確に上抜けば、価格構造は完全に強気へ転換し得る。
注目すべきはチャートパターンの変化だ。ここ数週間、XRPは下降三角形のレンジに収まり、売り手が横ばいのサポートへ押し下げる弱気セットアップが続いていた。理屈上は2.69ドル割れのリスクがあったが、実際には上方へブレイクし、弱気パターンは否定された。
これで全面的に強気に転じたわけではないものの、当面の下振れリスクは後退したと言える。2.85ドルと2.69ドルを維持できる限り、3カ月の上昇トレンドは継続しやすい。利食い圧力が和らげば、クジラの買いがさらなる上値余地を開く可能性がある。
一方、クジラの買いが鈍化し、利食いが強まる場合は、2.69ドルの重要サポートが試されるリスクがある。同水準を明確に割り込めば、短期の強気シナリオは無効化されかねない。