Zcash(ZEC)は10月に約400%急騰し、今週は44.2%上昇で注目を集める。直近24時間でも6.6%上昇し、買い圧力の強さを示す。一方で、上昇が続くなか、息切れの兆候が出始めている。
モメンタム指標は押し目リスクを示す。Zcashはなお上昇基調の構造内にある。
Sponsored価格がモメンタムを上回り反落リスク拡大
10月11日から10月29日にかけて、Zcashの価格は高値を切り上げた。一方、相対力指数(RSI)は高値を切り下げた。RSIは買いと売りの強さを測るモメンタム指標である。価格が上昇しRSIが低下すれば弱気のダイバージェンスとなる。上昇にモメンタムが追随していないサイン。
このダイバージェンスは、Zcashの前月比400%の急騰の最中に生じた。急騰そのものがRSIリスクを生む局面である。言い換えれば、価格は速く行き過ぎ、RSIが追随していない。この不均衡は通常、クールダウンを示唆する。
トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。こちら。
注:日足のこの種の弱気ダイバージェンスは、しばしばトレンド転換を示す。ただし直近のZECは価格の強さを示す。この強さが、Zcashに調整が入る場合でも、押し目リスクを限定し得る。
注目すべきは、Zcashがフラッグ上抜けの勢いを維持している点である。広い上昇トレンドは健在に見える。
Sponsored Sponsored同時に、チャイキン・マネー・フロー(CMF)は直近数セッションで低下傾向。現在はゼロ近辺で推移。大口投資家がエクスポージャーを増やすのではなく利確している可能性。
勢い回復には、CMFの反転上昇が必要。RSIも75超えが望ましい。価格上昇とともにRSIが75を超えれば、短期的にモメンタムと価格が整合する。そうなれば押し目バイアスは無効化され得る。
ロングの強制清算で反落リスク増
BybitのZEC清算マップだけでも、市場がロングに大きく傾いていることが分かる。ロングのレバレッジは現在で2080万ドル超。ショートは1070万ドルのみ。多くのトレーダーが上方向に賭けていることを意味する。
Sponsored Sponsoredこの偏りでロングスクイーズの懸念が高まる。過度なロングの手仕舞いが誘発され、下落が加速し得る。Zcashのボラティリティの高さを踏まえると、小幅下落でも引き金となり得る。
最大の清算クラスターは308ドルから295ドルの帯。売り圧力が強まれば高リスク帯となる。ZECの価格はデリバティブに反応しやすい。レバレッジが冷えない限り、下押しリスクは残る。
Sponsoredジーキャッシュの強気の価格構造は維持、リスクは残る
これらの短期的な警戒サインにもかかわらず、Zcashのテクニカル構造は上昇傾向である。12時間足で上昇チャネル内を推移。この型は上方ブレイクに繋がりやすい。
ただし上限トレンドラインの根拠は弱い。接触点は2点のみ。強気勢が主導すれば、上抜けは勢いづく可能性。注目の水準は365ドル。10月27日以降の上昇をことごとく拒んできた。
ここを上抜ければ、まず382ドルと400ドルが目標。400ドルは強い心理的節目。終値で400ドルを超えれば、フィボナッチ拡張で456ドルや548ドルも視野に入る。
下値では、308ドルが重要な支持水準である。これを持続的に下回れば、ZECは267ドルか226ドルへ向かい、現行のパターンは強気から調整局面に変わる。
前述のとおり、308ドル割れはロングの清算も誘発する。強気のチャネル構造も崩れ、Zcashの価格を267ドルかそれ以下へ押し下げる恐れがある。