米国の債務総額が4兆ドルに迫る水準となり、火曜日時点で39兆9000億ドルに到達した。国民1人あたり約11万6000ドルに相当し、きょうのビットコイン価格換算では約2ビットコイン分となる。
ビットコイン(BTC)支持者は、こうした巨額債務が希少資産を保有すべき最大の理由と主張する。しかし、一方で最新のカンファレンス・ボードの報告書は、同じ債務が日常的な暗号資産購入資金を圧迫していることを示している。
4兆ドル債務が家計を圧迫する理由
ピーター・G・ピーターソン財団が公開する債務トラッカーと財務データダッシュボードは、火曜日時点で39兆9000億ドルを示した。同財団によれば、利払いだけで1日28億ドル超が費やされる。
カンファレンス・ボード(民間の非党派調査団体)は同日に報告書を発表した。米国の1週間デフォルトも含む、5つの財政シナリオ分析を行った。
同シナリオでは、中小企業向け融資返済額が21.6%上昇、学生ローン負担が8.7%増加、住宅コストも最大6.7%上昇する。
デフォルトはあくまでストレステストであり、予測ではない。議会はこれまで支払いの遅延前に都度、債務上限を引き上げてきた。直近では2023年の対立後が例となる。
だが、現実的な道筋も厳しい。同報告書は2036年までに債務がGDP比154%に達すると見る。2032年には社会保障の主要信託基金が枯渇することも警告する。
月2100ドルの年金受給者は、月170ドル程度の減額となる試算。
「国家債務は政府の財務諸表上の数字だけでなく、米国民が日々の生活で下す経済的判断にも直結している」とカンファレンス・ボードCEOセンターのデビッド・K・ヤング所長は発表文で述べた。
米国民はビットコインや暗号資産を購入できるのか
ビットコインは本稿執筆時点で6万4594ドル付近を推移し、24時間で0.5%上昇。現行価格では、1人あたりの債務割り当て11万6000ドルは約1.8BTCに相当する。
実際には、1BTCすら保有する購入者はほとんどいない。JPモルガン・チェース・インスティテュートの調査では、2015年から2022年中盤にかけて、中央値の購入金額は合計約620ドルで、1週間分の手取り収入に満たなかった。
現在、この620ドルでは0.01BTCも買えない。債務負担が家計の余剰資金を奪う構図だ。カンファレンス・ボードの高赤字シナリオでは、モデル世帯の5年ローン返済額が5万5000ドル上乗せとなり、1か月あたり900ドル超の負担増となる。
最も圧迫感が強いのは低所得層だ。JPモルガンのデータでは、低所得層ミレニアル世代はビットコイン1単位あたり平均で4万5400ドル、高所得層では4万2400ドルで購入。高値での後追い購入が常態化していた。
すでに債務ストレスと暗号資産ストレスは重なり始めている。米金融研究所(OFR)の調査では、暗号資産取引が多い地域の低所得世帯における住宅ローン保有率は、2020年から2024年で4.1%から15.4%に約4倍に増加した。
米住宅金融規制当局は、ビットコインを住宅ローン担保として利用する調査も行っている。暗号資産は、今や家計のバランスシートに深く組み込まれている。
米長期金利上昇でビットコインのヘッジ効果は試練に
長期債利回りの上昇も家計の圧迫に拍車をかける。30年国債利回りは2003年以来の高水準。バークレイズやBMOキャピタル・マーケッツのストラテジストらは、財政不安と大量の債券供給が要因と指摘する。
財政データもこれを裏付ける。米財務省の統計によれば、7月の財政赤字は4323億ドルに拡大し、月間ベースでは2021年3月以来の大きさとなった。利払い費用は本年度、1兆3700億ドルに達する見通しで、社会保障とメディケアに次ぐ規模となる。
企業も市場に殺到している。米企業による社債発行額は本年これまでに1兆7000億ドル近くとなり、2025年同期比で27%増加した。この大量供給が、投資資金をめぐり暗号資産とも競合する。
高水準の安全資産利回りは、リスク資産への期待値を引き上げる。ただ、ビットコインのキャリートレード収益は最近、2年物米国債利回りを上回った。債券売りが進む中、どの資産が安全といえるかを巡る議論も再燃している。
答えは条件付きの肯定となる。一般的な620ドルの投資は多くの世帯で依然手が届く範囲にある。より難しいのは、その資金が増えるローン返済に耐えられるかどうかである。今後数か月で利回りがどこで落ち着くかが、この行方を左右しそうだ。









