暗号資産(仮想通貨)トラッキングサイトコインゲッコーがこのほど公開したレポートによると、2024年初から2月末までにAI関連の仮想通貨は平均で257%の価格上昇を見せた。特に注目されているのはBittensor、Render、Fetch.aiで、時価総額はそれぞれ38億5000万ドル、30億3000万ドル、14億1000万ドルに達している。
BittensorはTAOトークンを利用した分散型機械学習プロトコルで、1月から2月にかけて最大のAI暗号通貨としての地位を確立。価格上昇率ではNosanaが最も大きく、987.9%の上昇を記録し、価格は0.56ドルから6.01ドルに急騰した。続いてDeepFakeAIが628.6%、Synesis Oneが595.4%の価格上昇を見せた。
OpenAIのビデオ生成系AIモデル「Sora」の発表は、AI暗号通貨の価格を平均で151.0%押し上げる結果となった。特にDeepFakeAIは、-31.4%の下降傾向から一転し、628.6%の価格上昇を記録。時価総額の上昇ではBittensorが22億2000万ドルの増加で首位に立ち、次いでRenderが12億ドル、SingularityNETが5億1000万ドルの増加を記録している。Renderは7日、35%の急騰を見せ市場最高値を更新したところだ。
1月1日から2月29日までのAI暗号通貨のランキング変動では、Bittensor、Render、Fetch.ai、Akash Network、そしてSingularityNETがトップ5を維持。一方でAutonolasは6位から9位に後退し、Nosanaは9位から7位へと順位を上げる結果となった。
コインベース、AIとブロックチェーンの統合には可能性があるが規制の策定などが急がれる
米大手仮想通貨取引所コインベースは6日、AIと暗号資産に関するレポートを公開。レポートは、AI製品が仮想通貨業界を改善するケースと、仮想通貨が分散型の手法でAIを変革するケースの2つの主要なユースケースに分けて述べられた。同社は前者は比較的明確なビジネスシナリオを持つ一方で、後者は技術的な課題だけでなく、市場や規制の策定も伴うと指摘する。
同社は分散型コンピューティングとストレージの分野では、AkashとRenderなどのプロジェクトが集中型クラウドコンピューティングの代替としての地位を確立しようとしていると指摘。これらの分野では、GPUの供給不足を背景に需要が高まっているが、ネットワーク帯域幅の制限など、克服すべき課題も多いと示唆した。また、AI生成コンテンツの真偽やディープフェイク対策として、分散型識別子(DID)や人物認証メカニズムが提案されている。しかしコインベースは、これらブロックチェーンベースの手法の普及は、ビジネス規制とコンプライアンスの要件に依存するとした。
コインベースはAIと仮想通貨の融合はまだ黎明期にあり、AI業界の将来と同様に、分散型AIの未来も保証されていないと主張。市場を慎重にナビゲートし、ブロックチェーンベースの解決策が実質的に優れた代替手段を提供できるか、または少なくともその背後にあるナラティブを理解することが賢明だとレポートは結論づけている。イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏もAIと仮想通貨ブロックチェーンが融合する未来について見解を示しており、24年の注目トピックとして見られている。
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