英ファイナンシャルタイムズの24日の報道によれば、Apple(アップル)が人工知能(AI)分野で積極的な開発を進めており、次世代iPhoneでのAIの導入を踏まえた、一連の買収、スタッフ雇用、ハードウェア更新を行っているという。内部関係者は同社がOpenAIのChatGPTなどの生成型AI製品を動力とする大規模言語モデルの開発に取り組んでいると指摘する。
業界データや学術論文、技術部門の内部関係者の洞察により、同社がモバイルデバイスを通じたAIの駆動という技術的問題に直面していることが明らかになっている。同社は2023年10月時点で、顧客のプライバシーへの取り組みと整合する方法で個人データを使用しAIで処理する方法を検討している最中だとしていた。17年初め以降、Appleは21のAIスタートアップを買収。最近では、AIによるビデオ圧縮を提供するカリフォルニア州のスタートアップ「WaveOne」を買収していた。
アップルの目標は、モバイルデバイスを通じて生成型AIを運用することで、AIチャットボットやアプリを電話自体のハードウェアやソフトウェアで実行し、データセンターのクラウドサービスへの依存を減らすこと。これには、AIを動力とする大規模言語モデルのサイズ削減と高性能プロセッサの必要性が伴うという。アナリストのジェフ・プー氏は10月、同社はすでに大規模なAIサーバーを構築しており、クラウドベースのAIおよび、デバイス上でのデータ処理を行う「エッジAI」を提供する予定であると明かしていた。
Siri機能の強化を筆頭に包括的にAIを導入か
金融大手モルガン・スタンレーのアナリストは、このモバイルソフトウェアが生成型AI対応で、LLMによって駆動する音声アシスタントSiriを含む可能性があると予測している。ブルームバーグが23年10月に報じたところによれば、アップルは生成AIに「Xcode」と呼ばれる開発ツールを組み込むという。Apple Musicなどのアップル由来のアプリケーションへのAIの統合も検討されている。アップルはAI事業に年間10億ドルを費やすとしている。
アップルは22年10月、MacBook用M3 Maxプロセッサを発表し、AI開発者が大規模なデータでの作業を可能にした。22年9月発売のApple Watchの新S9チップはインターネット非接続状態でもSiriが機能し、iPhone15のA17 Proチップは前世代より2倍速い。これらはAI向けに特化した設計で、SemiAnalysisのディラン・パテルアナリストは「今後もその傾向が続く」と指摘した。情報筋によれば、アップル24年後半の目標が達成されれば、iOS18および、iPadOS18ローンチで生成型AI機能の展開を開始できるという。
一方で米連邦取引委員会(FTC)は25日、グーグル、アマゾン、マイクロソフトから、AIスタートアップ、特にAnthropicとOpenAIへの投資や提携に関する情報を要求した。要求は、AIの進展が競争環境に及ぼす影響を理解するための調査の一環である。独占禁止法執行を担当する当局者は、多くの有望なAIスタートアップが、資金調達やインフラ整備の面で大手ハイテク企業に依存している現状に懸念を示した。
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