ジェフ・ベゾス氏が今週、保有するアマゾン株1500万株(約40億7000万ドル相当)の売却を申請した。今回の取引は、同氏が8か月半前に策定していた売却計画に基づくもの。
この申請は、アマゾンの時価総額が好調な決算を背景に3兆ドルを超えた翌日に報告されたため、タイミングに注目が集まった。ただし、実際の売却メカニズムは、いずれの節目よりもかなり前に確定していた。
8か月前に策定された計画
ベゾス氏は10b5-1取引計画に基づき、今回の売却を実行した。同計画は、企業内部者が将来の株式売却を事前に設定できる仕組み。発効後、タイミングに関する裁量権がなくなる特徴がある。
米証券取引委員会(SEC)への申請によると、同氏はこの取引計画を2025年11月14日に採用した。これは実際に株式が移転する約8か月半前にあたる。申請書類には、当該株式が、1994年の創業時に取得されたものであり、アマゾンが1997年に新規株式公開(IPO)を行う3年前であったことも記載されている。
ベゾス氏は今回の売却後も、アマゾンの大株主である。また、今週の取引とは別に、5月に22万200株を非営利団体に寄付している。
ベゾス氏はここ数年、同様の事前計画に基づきアマゾン株を売却してきたと同申請で明らかになった。
好決算発表は計画策定後
アマゾンは7月31日に第2四半期決算を発表し、クラウド事業の成長を背景に市場予想を上回った。この報告は、数日前に公開された大型テック決算の事前予想にも掲載されていた。同発表を受け、月曜日に同社株価は過去最高値付近で引けた。
同日、アマゾンの時価総額は3兆ドルを突破。ベゾス氏が保有していた株式も月曜日にモルガン・スタンレー経由で売却され、過去最高値に連動した平均価格となった。
その後、今回の申請が明らかとなった火曜日に株価は2%以上下落した。計画自体は、この上昇よりも数か月前に策定されていた。
このタイムラグの重要性
10b5-1計画は、内部者の取引判断と市場を動かす情報との分離を目的とする制度。ベゾス氏はアマゾンの7月決算を元に今回の売却時期や規模を変更できなかった。スケジュールは数か月前に既に確定済みであった。
タイミングが偶然重なったことで、売却が市場動向を受けたようにも見えたが、申請日がそれを否定している。
内部者が株式売却を開示するSECのForm144を確認する投資家は、まず計画の採用日を重視すべき。売却実施日だけでは誤解を招くことがある。









