バンガード・コミュニケーション・サービスETF(VOX)は、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)の保有株式を2か月間で85.2%増加させた。今後、スペースX株のロック解除が進めば、同ETFにおけるスペースXの組入比率は最大で全体の5分の1(20%)にまで拡大する可能性がある。
VOXは6月30日時点でスペースX(SPCX)株を63万2077株保有していたが、8月31日には117万398株に達した。これにより、スペースXは同ETFで8番目に大きい保有銘柄となった。バンガード側はVOXに占める正確な比率は公表していない。
このスペースX集中は見過ごされているリスクか
スペースXは2026年6月12日にナスダック市場に上場したが、流通した株式は全体の5%程度にとどまった。それ以来、追加のロック解除によって流通株数が増加し、それに伴いスペースXの時価総額加重インデックス内に占める比率も上昇している。
ナスダック100は、スペースXに対し流通株ベースで複数の加重をかけて組み入れている。この方式は流通株数が十分に拡大するまで適用される。新たな株式が解禁されるごとに流通株も拡大し、スペースXのインデックス組入比率も増加する構造。
VOXは、他のバンガードETFと比べて、この構造をより積極的に利用している。他のバンガード系ファンドは、スペースXの組み入れがほとんど見られない。
見返りは訪れるのか
スペースXはバンガード・グロースETFの上位保有50銘柄に入っていない。また、バンガード・トータル・ストックマーケットETFでも上位100銘柄の圏外。バンガード・トータル・ワールド・ストックETFでは上位200にも含まれていない。
バンガードはスペースXを通信株としてのみ分類している。そのため、同社の全組入比率がVOXだけに集中する状況となっている。
アルファベットとメタ・プラットフォームズの比率が既に同ETF全体の42.4%を占める。スペースXが完全に加重されれば、VOXの上位3社で全体の半分以上を占める可能性が高い。
スペースXのスターシップ計画で株価が1日で6%上昇した例もあり、投資家はこうした変動に既に晒されている。
ボラティリティの高い新興株を1つのセクターファンドにどこまで組み入れるべきなのか、疑問視する声もある。
VOXの賭けが実を結ぶかどうかは、スペースXの今後の業績次第である。その反面、同ETFの収益は、上場間もない銘柄への依存度を高める形となる。このリスクは、既にアルファベットとメタへの集中リスクと重なる。
ただし、この集中度は今後緩和するとみられる。スペースXの流通株数が十分に拡大すれば、早ければ2027年夏にS&P500など主要ベンチマークへの採用が見込まれている。









