暗号資産の取引市場から撤退して1年、バイナンスはシンガポールで暗号資産サービスを提供するライセンスの取得を再び試み、個人から法人顧客へとシフトしようとしている。
日経アジアは、バイナンスの役員を引用した報道で、同社のカストディアン部門が「順次」ライセンスを申請することを確認した。
2021年にはライセンス申請を取り下げていた
バイナンス・シンガポールは2021年12月、暗号資産取引所の運営ライセンス申請を取り下げたとの声明を発表していた。(それに伴い)同社は2022年2月にシンガポールでの取引プラットフォームを閉鎖した。
しかし、2022年11月、バイナンスはシンガポールの法人顧客向けに同国内法人を再編成したと報じられた。その過程で、バイナンス・カストディ(Binance Custody:機関投資家向けの暗号資産保管サービス)はCeffuと改名された。これは、カストディサービスやその他のデジタル資産サービスを求めるプロの投資家にアピールする狙いがある。
バイナンスの法執行トレーニング責任者、ジャレク・ジャクブチェク(Jarek Jakubcek)氏は日経アジアに対し、「最近の(当社の)採用状況を見れば、バイナンスが法執行や規制の分野で長年の経験を持つ人を採用していることが分かるはずです」と語っている。
同役員はまた、バイナンスの事業はシンガポール金融管理局(MAS)が定める要件を満たそうとしているとを示唆した。
MASは個人向け暗号資産エクスポージャーに厳格な姿勢を堅持
Ceffuの副社長、アテナ・ユー(Athena Yu)は同紙に以下のように語っている:
「イノベーション、優れたコーポレート・ガバナンス、強力な規制の枠組みにおけるこの都市(シンガポール)の評判を考えれば、機関投資家がここに拠点を構えることに魅力を感じるのは当然のことです 」
MASは、暗号資産分野の規制を強化して以来、暗号資産の個人向け取引を控えるよう金融機関に働きかけている。MASは最近、個人顧客の暗号資産へのアクセスを制限する数々の方策を提言している。それらの規制項目は、投資家がトークン取得のためにローンを組むことを阻止するものになるとみられる。さらに、事業者がリターンを得るためにコインをリースしたり、ステーキングしたりすることも禁止される可能性がある。こうした状況から、バイナンスは個人取引から離れる方向にある。
シンガポールは、暗号資産企業の破産が市場を圧迫しているため、規制、監督基準を積極的に追求している。MASは昨年、2021年1月から8月の間に受け取った複数の苦情を受け、バイナンスも投資家警告リストに追加されたことに言及した。これは、当局が破綻前のFTXを(警告リストから)除外したことで非難を浴びたことに伴う動きだった。
取引高が最大の暗号資産取引所であるバイナンスは、シンガポール以外でも規制問題に直面しいる。FTXの破綻以来、バイナンスは米国で批判を浴び続けている。最近のフォーブスの記事では、バイナンスが「裏工作」を行い、17億8000万ドルのステーブルコインをヘッジファンドに送金したとされている。
また同じ頃、バイナンスがP2P市場のユーザーからの資金を留保しているとの懸念も浮上した。
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