バイナンスは、パクソスによる79億ドルのバイナンスUSドル(BUSD)の換金を受け、BUSDを自社のユーザー向け資産保険基金(Secure Asset Fund for Users:SAFU)のテザー(USDT)とトゥルーUSD(TUSD)にスワップ(暗号資産の交換取引)した。
世界最大の取引所であるバイナンスは、同スワップはBUSD相場の下落が続く中、ユーザー資金を保護するための積極的な行為であると述べている。
バイナンスのSAFU、BUSDスワップで少なくとも10億ドルを保有
バイナンスは、今後も自社のセーフティファンドに十分な資金があることを確認し、自己資金を用いて定期的にSAFUを増加させるとみられる。BUSDは、独自のパックスドルを持つパクソスが発行する、バイナンスブランドのステーブルコインである。
現時点の価格で、SAFUのビットコインアドレスは約16,000BTC、438,518,660ドル相当を保有している。
![](https://jp.beincrypto.com/wp-content/uploads/2023/03/image-87.png)
また同ファンドのバイナンスコイン(BNB)とUSDTのウォレットには、およそ1,364,102BNB、458,257,191ドルが保管されている。
![](https://jp.beincrypto.com/wp-content/uploads/2023/03/image-88.png)
バイナンスは、今後も公に検証可能なアドレスでユーザー資金を保有し、BUSD取引をサポートする予定。
バイナンスは、2018年にスタートしたSAFUに対し、取引手数料の比率に基づいて資金を供給している。
今回のBUSDスワップは、ニューヨークの規制当局が発行元のパクソスに同トークンの鋳造停止を命じてからおよそ1カ月が経過した(後行なわれた)。
上記命令を受け、パクソスは32日間で79億ドルのBUSDトークンをフィアット(法定通貨)へ交換した。パクソスは、少なくとも2024年2月まで同資産のサポートを続けると述べている。
他方コインベースは、上記ニューヨーク規制当局の命令後まもなく、BUSDが上場要件を満たさなくなったとして、同トークンの取引を停止した。
ムーディーズは、ステーブルコインに対する信頼性の危機に警鐘
格付け会社のムーディーズは、シリコンバレー銀行の破綻に伴う先日のステーブルコインUSDCのデペッグにより、米国内のステーブルコインに対する監視が強化される可能性があると指摘している。
先週、米国の規制当局がSVBを管理下に置いた後、USDC10億ドルの(フィアットへの)交換が行われたことを受け、同トークンは暗号資産取引所クラーケンで約0.92ドルまで下落した。
また先週の(USDCの)デペッグを受け、ムーディーズは、ドルとのペッグを維持するためにフィアットに依存するステーブルコインは、SVBやシグネチャー等の中規模銀行の信頼性危機によって苦境に陥るかもしれないと述べている。
USDCの発行元であるサークル(Circle)は、デペッグ後に50億ドルにおよぶ鋳造および(フィアットへの)交換を行った。(その後)連邦預金保険公社がシリコンバレー銀行を管理下に置いたことで、すぐにペッグは回復した。
しかし、ムーディーズは、規制当局が介入しなかった場合、サークルは取引を履行するために資産を清算する必要があっただろうと述べている。
他方、USDCのデペッグを受けて、下院金融サービス委員長のマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)議員は、上院銀行委員長のパトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry )議員とともに、昨年起案されたステーブルコイン法案の成立を早めることに尽力すると語った。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
![Takashi-HIgashi-new.jpg](https://jp.beincrypto.com/wp-content/uploads/2023/01/Takashi-HIgashi-new.jpg)