ビットコイン(BTC)が「退屈な資産」へと変貌しつつあることは、同銘柄にとって最強の強気材料だとCheckonchain創業者のジェームズ・チェック氏は指摘する。ボラティリティは既に2023年夏以来の低水準まで縮小している。
一方、ウォール街はいまだに価格変動性を最大の障害とみなしている。JPモルガンは現在、10年後のビットコインリターン予測を公表しているが、ポートフォリオへの組み入れ比率については明らかにしていない。このため機関投資家の需要は低調なままとなっている。
ビットコインの静かな局面が示すさらなる物語
元グラスノードのアナリストであるチェック氏は、10月27日にHonest Money Showでこうした見方を示した。同氏は、ビットコインが投機的な若年期を終えたと主張する。
「…これが普通になることこそ、ビットコインにとって考えうる最も強気な状況だ」
グラスノードのデータもこの見解を裏付ける。ビットコインの1カ月実現ボラティリティ(過去30日間の変動率)は25.2%まで低下した。
同社によれば、2015年以降の取引日のおよそ5%のみがこれより静かな動きだった。
チャートは通常レンジの縮小も示す。年間ボラティリティバンドは2022年半ばの約55~78%から、約30~52%に縮小した。
浅い弱気相場も同様の傾向を示す
直近の下落もこうしたパターンに合致する。ビットコイン価格は2025年10月の12万6000ドルの高値から6月30日の5万8379ドルまで約54%下落した。
| 弱気相場 | 最高値から最安値までの下落率 |
|---|---|
| 2018年 | -84% |
| 2022年 | -77% |
| 2025~2026年 | -54% |
チェック氏は、こうした底堅さが存続リスクの低下を反映していると説明する。市場は6万ドル付近で底打ちし、4万ドル付近まで下落しなかったのは、ビットコインが消滅するとの懸念が減少したためだという。
BloFin Researchのエドワード・ウー責任者も、今後のビットコイン急落は以前より浅くなる可能性を主張している。
「退屈なビットコイン」はウォール街待望の資産か
チェック氏は、ビットコインの変化の大きさを示す例としてJPモルガンに注目する。
JPモルガン・アセット・マネジメントは10月19日、「2027年長期資本市場見通し(LTCMA)」と題する10~15年先を見据えた年次アウトルックでビットコインを初めて組み入れた。初のリターン予想は年率10%とし、米国大型株の7.5%や金の5.5%を上回る。
それでもJPモルガンはビットコインをモデルポートフォリオから除外した。不安定な相関や過去55%のボラティリティが要因であり、株式・金の約3倍であることを理由に挙げた。
同行は、ボラティリティがさらに低下し相関も安定すれば、ビットコインが担う役割は拡大する可能性があると指摘する。グラスノードの最新指標は短期的な水準だが、長期前提の半分以下で推移している。
ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者(BeInCryptoエキスパートカウンシルメンバー)は、JPモルガンの想定するボラティリティ値は高すぎると指摘する。
チェック氏は、仮にモデルポートフォリオで平均2%でもビットコインへの配分があれば莫大な資金流入を呼び込むと考えている。
一方で、こうした静けさにはリスクもある。グラスノードは8万5000~11万8000ドルで購入した長期保有者が、8万5000ドルへの回復場面で売却する可能性を指摘している。
チェック氏は、ビットコインが10万ドルを超えるまではこの「静かな膠着局面」が続くと予想する。10万ドルを上抜ければ、見出しが投機資金を再び呼び戻し、「退屈な局面」は終息するとみている。











