欧州で最も注目される暗号資産系YouTuber、カール・ルネフェルト氏とデイビッド・ウルシュナー氏によれば、ビットコインのベアマーケットの下値はすでに6万ドルで形成された可能性が高いという。両氏は、今回のサイクルでは80%もの大幅下落を正当化する熱狂的なブームはみられなかったと主張。
ビットコインが本稿執筆時点で7万6500ドル近辺で推移するなか、この指摘が現実味を帯びてきた。「The Moon Show」のルネフェルト氏は、リアルタイムで6万ドルが大底と宣言。「Crypto Familie」のウルシュナー氏も、下値余地が限られた強力な蓄積ゾーンにあるとみる。
YouTuberがビットコイン6万ドル下値を指摘
BeInCryptoのインタビューで、ルネフェルト氏は自身が下値を宣言した当時の状況を語った。
「ビットコインが6万ドルを割り込んだとき、たしか5万9000ドル台でしたが……その日にツイートと動画で、ここがベアマーケットの底だと考えると伝えました」
同氏は、今回のベアマーケットは過去のような急落を伴わないと主張。前回高値の際には、投機的熱狂や過剰な高揚感が見られなかったため、大幅な下落を必要としないとの見方を示した。
「熱狂は一度もなかった。叫ぶようなアルトコインシーズンもなかった。ビットコインが世界中で話題になるほどの熱狂的な上昇局面もなかった」
また、相対力指数(RSI)がコロナショック時と同様に売られ過ぎシグナルを点灯したこと、マイケル・セイラー氏や他の機関投資家が依然として買い増しを続けていることを挙げ、これ以上の下落余地は小さいとの見方を強調した。
ウルシュナー氏「下値余地は限定的」
「Crypto Familie」のウルシュナー氏も大筋で同意。ただし、もう少し深い下値試しの可能性は残るとみる。
「5万ドル割れに期待するのは誤りだと思う」
同氏が想定するボトムボックスは5万2000ドルから5万3000ドル水準。これは2017年サイクルで見られた前回高値から23%の調整幅とおおむね一致する。同氏は現在の水準を強力な蓄積サポートエリアと位置付ける。
最大の「痛みの領域」はフィボナッチ0.768の3万9000ドルまでと想定するが、この水準にまで下落する可能性は低いとみる。ウルシュナー氏は、マイケル・セイラー氏や企業財務部門による買い支えが、さらなる暴落を防ぐ構造的な下値の根拠と指摘した。
ベンジャミン・コーウェン氏の「無関心」説とも重なる
両氏の見立ては、Into The Cryptoverse創業者のベンジャミン・コーウェン氏の分析と重なる。コーウェン氏は今サイクルの天井は高揚ではなく「無関心」で形成されたとし、歴史的な80%下落パターンは今回には当てはまらないとみる。
同氏は、今回のサイクルは構造的に異なるとの見方。アルトコインの上昇ローテーションは、熱狂的な個人資金流入が必要だが今回は見られなかった。そうした熱狂による流動性供給がなかったため、現在の6万ドル水準が2018年型の大幅下落を伴わずに下値を支え得るとみている。
シナリオ崩壊リスクにも言及
ルネフェルト氏は、この見立てが崩れる条件にも言及した。
「戦争やブラックスワン的な事象が続出し、トランプ米大統領がとんでもない発言をした場合は、さらに下落する可能性がある」
両氏は、今の水準はトレードというより「戦略的な蓄積ウィンドウ」と位置付ける。ウルシュナー氏は明確な助言で締めくくった。
「ブルマーケットで利益を出すのではない。目標を定め、基盤を作り、ベアマーケットでポートフォリオのコアポジションを築くべきだ」





