7月15日に発表された米消費者物価指数(CPI)を受け、ビットコイン市場に売り圧力が強まった。価格は直近の高値である12万3203ドルから11万7143ドルまで下落し、約4.9%の調整となった。
足元では弱気の兆しが濃くなりつつあり、買い意欲の後退も見られるなか、市場では今後さらに8%程度の下落が起きる可能性があるとの見方も浮上している。
取引所への流入が売り圧力の増加を示唆
CryptoQuantのデータによれば、7月15日に8万810BTC以上が中央集権型取引所に移動した。これは数日間で最大の1日あたりの流入であり、プラットフォームに94億ドル以上のビットコインが流入したことになる。

取引所への流入は通常、売却意欲の増加を反映する。大量のBTCがウォレットから取引所に移動する際、特に価格動向が弱まっている場合、保有者が売却を準備している兆候であることが多い。
蓄積ゾーンがサポートを提供
Glassnodeのヒートマップは、9万3000ドルから9万7000ドル、10万1000ドルから10万9000ドルの間に強い買いゾーンがあったことを示している。これらはBTCが高いウォレット活動を見せた範囲で、多くの投資家が大量に購入したことを意味する。これにより、価格が下落する際にサポートを見つけやすい「蓄積クラスター」が形成される。

これらの中で、10万7000ドルから10万9000ドルの範囲は特に重要である。これは、BTCが数日間横ばいで取引された後にブレイクアウトした場所に近い。ビットコインが下落を続ける場合、このゾーンでディップ買いが再開される可能性がある。
これらの蓄積ゾーンは、過去に強い買い活動があったエリアを表し、下落トレンドにおいて自然なサポートとして機能する可能性がある。
ビットコイン価格構造が弱体化 8%の下落も視野に
ビットコインは現在11万7143ドル付近で取引されており、過去最高値の12万3203ドルから下落している。この約5%の下落により、BTCは0.236フィボナッチリトレースメントレベルの11万7293ドルを下回り、トップ後の最初の重要なサポートゾーンを割り込んだ。
フィボナッチリトレースメントレベルは、市場の最近の安値と高値の距離を測定して描かれる。この場合、6月のスイング安値9万8160ドル付近から過去最高値の12万3203ドルまでである。これらのレベルは、トレンド中に価格がどこで戻るかを特定するのに役立つ。

フィボナッチの階段をさらに下ると、次の重要なレベルは0.618リトレースメントの10万7726ドルである。このレベルは、健全な戻りの際に資産が反発することが多い「ゴールデンポケット」として広く見られている。
中間レベルとして0.382(11万3637ドル)と0.5(11万682ドル)があるが、キャンドル構造とこれらのエリアでの過去の買い活動の欠如に基づき、主要な蓄積ゾーンの外にあり、BTCが下落を続ける場合、限定的なサポートしか提供しない可能性がある。
10万7726ドルのゾーンをさらに強化するのは、先に述べた10万7000ドルから10万9000ドルの蓄積クラスターと直接一致することである。
ビットコイン価格が現在の価格からこの0.618レベルまで下落した場合、追加で8%の下落を意味する。取引所流入の急増と構造の弱体化を考慮すると、現実的な目標である。このフィボナッチレベルと過去の買い活動の重なりにより、10万7726ドルは強気派が防衛を試みる最も可能性の高いエリアとなる。
しかし、このシナリオは、価格が11万7293ドルのレベルを回復し、取引所流入数が減少する場合には無効となる。この抵抗を超えて持続的に回復すれば、強気の勢いが戻り、12万3203ドルのピークが再び視野に入る可能性がある。
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