ビットコイン価格（BTC）は7月末直近で、調整局面に入っており、過去2週間にわたって11万7261ドルから12万ドルの間で推移している。こうした横ばいの値動きにより、過去最高値（ATH）の更新には至っていない。
一方で、投資家の動向を示す指標からは、8月に向けて大きな価格変動が起こる可能性が示唆されている。これが実現すれば、従来の8月におけるビットコイン価格の歴史的なパターンを塗り替えることにもなりそうだ。
ビットコイン投資家が好意的なシグナルを発信
現在のビットコインの売り手側リスク比率は0.24と、6カ月ぶりの高水準を記録している。ただ、この水準は中立の目安とされる0.4を大きく下回り、低価値実現の指標である0.1にも近い。これは市場が調整局面にあり、大口投資家などによる大規模な売却が一服している状況を示唆している。
過去の動向をみると、売り手側リスクが低水準となった時期は、市場が底入れあるいは蓄積段階にあることを示しており、投資家が価格上昇を見込んでポジションを積み増している可能性が高い。この蓄積局面は重要であり、ビットコイン価格が次の大きな変動に備えている兆候とも言える。
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ビットコインの蓄積トレンドスコアは、この2週間で1.0に迫る水準となっている。これは「クジラ」と呼ばれる大口保有者をはじめとした投資家層が、積極的にビットコインの蓄積を進めていることを示している。クジラのような大口投資家の動向は、暗号資産市場に大きな影響を与えるため、注目が集まる。
蓄積スコアが1に近づくことは、機関投資家や富裕層など、大口の投資家の間で強気の姿勢が広がっていることを意味している。この動きが続けば、最近伸び悩んでいた相場の抵抗水準を突破するための強固な基盤になる可能性がある。
また、こうした大口投資家による安定的な蓄積の動きは、ビットコインの長期的な価値への信頼感が高まっていることを示唆する。これが呼び水となって市場に新たな資金が流入すれば、価格のさらなる上昇につながる可能性がある。
ビットコイン価格、過去最高値に到達の可能性
ビットコインの価格は現在11万8938ドルで推移している。足元では11万7261ドルから12万ドルのレンジ内で価格が推移しており、比較的安定した値動きを見せている。ただ、市場の投資家心理が引き続き強気を保てば、近いうちに12万ドルを突破する公算が大きい。
ビットコイン市場は歴史的に8月が弱含む傾向にあり、月間のリターンの中央値はマイナス8.3％と軟調である。ただ、現在は投資家の買い増し（蓄積）が進んでいるうえ、売り手側のリスクも抑えられているため、今年の8月はこうした歴史的傾向に逆行する展開となる可能性もある。市場関係者の間では、ビットコインが12万ドルの価格帯を下値支持線として固められれば、12万2000ドルを超え、過去最高値（ATH）更新に向けた値動きになるとの見方が強まっている。
ただし、市場で予期せぬ要因が浮上し、投資家の心理が変化した場合、相場が弱気に転じるリスクも残る。その場合、ビットコインは11万7261ドルのサポートラインを割り込み、11万5000ドル付近まで下落する可能性がある。こうした展開になれば、強気シナリオは崩れることになる。
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