米資産運用大手のブラックロックは17日、イーサリアム(ETH)現物ETFにステーキング機能を追加するための申請を米証券取引委員会(SEC)に提出した。承認されれば、米国初のステーキング報酬付きイーサリアムETFとなる可能性がある。
今回の申請は、機関投資家による暗号資産(仮想通貨)戦略の転換を象徴する動きとされる。特に利回りを伴うデジタル資産への関心の高まりが背景にあるとみられる。
Sponsoredステーキングとは、保有するイーサリアムをブロックチェーンの取引承認に使用することで報酬を得る仕組みで、一般に年率3~5%の利回りが見込まれる。現行の米国におけるイーサリアム現物ETFには、いずれもステーキング機能が含まれていない。
ステーキング機能の追加により、投資家はイーサリアム価格の値上がり益に加え、ステーキングによるインカムゲインも期待できる。また、ステーキングに供されたETHは一定期間ロックされるため、流通量の減少を通じてイーサリアムのデフレ圧力が強まる可能性も指摘されている。
この動きは、従来の利回り商品と暗号資産との間の橋渡しとなる可能性がある。暗号資産市場のさらなる金融商品化を示す重要な節目と位置づけられる。
同様の申請は、グレースケールやフランクリン・テンプルトンなど複数の発行体からも提出されているが、SECは現時点でいずれの申請も承認していない。
規制当局がブラックロックの提案を認可すれば、イーサリアムETFの設計における新たな前例となり、市場の革新に一石を投じる可能性がある。承認の時期は不透明だが、市場はすでにステーキング型ETFの実現に向けた期待を織り込みつつある。